ボロディン四重奏団のチャイコフスキー「弦楽四重奏曲第3番」

今日、東京は急に暖かくなり、春が近づいてきたことが感じられました。ところが管理人は今日は本当に久しぶり、1年数ヶ月ぶりに風邪を引いてしまい、自宅で休養しています。
今日はチャイコフスキーの弦楽四重奏曲第3番変ホ短調作品30を聴きました。
演奏はボロディン弦楽四重奏団です。1979年12月の旧メロディアへの録音です。

チャイコフスキーは生涯に3曲の弦楽四重奏曲を作曲しましたが、そのどれもが完成度の高い傑作だと思います。一般には第2楽章がアンダンテ・カンタービレになっている第1番が有名です。しかし管理人の一押しは今日聴いた第3番です。

本曲は4楽章構成を取っています。第1・3楽章がアンダンテ楽章、第2・4楽章がアレグロ楽章となっているので、緩・急・緩・急の順ということになります。
しかし演奏時間を見ると、本ボロディン四重奏団の録音で、第1楽章が17分4秒、第2楽章が3分41秒、第3楽章が10分46秒、第4楽章が5分37秒となっており、曲のウエイトは全く第1・3の奇数楽章に置かれていることが分かります。
第1・3楽章は共に、陰鬱で感傷的な、ロシア情緒の纏綿とした楽章です。第1楽章の哀感を帯びたメロディと、第3楽章の悲痛な叫びを思わせる個所はとりわけ印象に残ります。
第2楽章は第1楽章と第3楽章の橋渡し、唯一活発で舞曲風の第4楽章はフィナーレとしての意味しか持たされていないように感じられます。

ボロディン四重奏団の録音当時のメンバーは次の通りです。
ミハイル・コペリマン(第1vn)
アンドレイ・アブラメンコフ(第2vn)
ドミトリー・シェバーリン(va)
ヴァレンチン・ベルリンスキー(vc)

同四重奏団は1970年代後半に第1ヴァイオリンがロスティスラフ・ドゥビンスキーからコペリマンに、第2ヴァイオリンがヤロスラフ・アレクサンドロフからアブラメンコフに交代しており、本録音はメンバー交代直後の録音だということになります。
ドゥビンスキーが第1ヴァイオリンだった時代のボロディン四重奏団は、ロシアの民族色の強い濃厚な演奏を聴かせていました。本録音は、ドゥビンスキーが西側に亡命して離脱し、ソリストとして活動を始めようとしていた若く腕達者なコペリマンを迎え入れて、新生ボロディン四重奏団としてスタートを切ろうとしていた時期の録音です。コペリマンは入団直後のせいかもしれませんが、一人歩きをすることはなく、4人が一体となった緊密なアンサンブルを聴かせてくれます。当時リーダー格だったチェロのベルリンスキーが、同四重奏団らしい濃厚な味付けをしています。
なおボロディン四重奏団は、1990年代半ばに第1ヴァイオリンがコペリマンからルーベン・アハロニアンに交代し、その後アブラメンコフ以下のメンバーも全て交代して現在に至っています。

ところで管理人は1994年、ボロディン四重奏団のチャイコフスキーの弦楽四重奏曲第3番の実演を聴いたことがあります。ブラームスの弦楽四重奏曲第3番と組み合わせるという意欲的なプログラミングでした。その時、本曲を聴いてたいへん感動したことを覚えています。それ以来、ボロディン四重奏団のファンとなり、今日に至るまで同四重奏団のCDをいろいろと集めました。コペリマン時代に旧テルデックに録音したブラームスやシューベルトはかなりの名演だったと思いますが、今では忘れられているようで、残念な気持ちがします。
本曲はそういう個人的な思い入れがある曲なのです。

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