ヴァント/ケルン放送響のブルックナー「交響曲第6番」

今日の東京は晴天で汗ばむような陽気でした。しかし管理人は季節外れの風邪を引いて体調を崩しています。

今日の1曲はブルックナーの交響曲第6番です。演奏はギュンター・ヴァント指揮ケルン放送交響楽団です。1976年のスタジオ録音です。

ブルックナーの交響曲第6番は、ブルックナーの交響曲の中では地味な存在のようです。後年のヴァントがベルリン・フィルを振ったブルックナーのライブ録音のシリーズには、第6番は含まれていません。またニコラウス・アーノンクールは、ブルックナーの第4、5番及び第7番以降の録音を残しましたが、この第6番は録音しないまま引退に至りました。
管理人は今日本曲を聴いてみて、たいへん良い曲だと思いました。急・緩・急・急の4楽章構成を取りますが、どの楽章も文句の付けようのない出来映えです。
一つ言えるのは、どの楽章も良くまとまっている反面インパクトが不足しているのかもしれません。第2楽章はその好例です。美しい緩徐楽章ですが、ブルックナーの他の交響曲の緩徐楽章、特に第7番以降の3曲の緩徐楽章と比較すると崇高さにおいて劣るように思います。また本曲は、その前に書かれた第4、5番と第7番以降の超名曲と比較されてしまい、損な位置にいるのかもしれません。もっとも気合を入れて聴くのではなく気軽にブルックナーを楽しみたいという時に聴くのに好適な曲のように思います。

ヴァントの演奏は有名な1990年代以降の演奏と同様、テンポを変化させないイン・テンポで、隅々まで明晰に鳴り、コントロールされているのが分かります。曖昧さが微塵もない、明快な分かりやすい演奏です。彼が若い時(と言っても録音当時65歳だったわけですが)既に自らのスタイルを完成させていたことが分かります。
驚かされるのはケルン放送交響楽団の正確性、アンサンブルの精度の高さです。ヴァントが後年指揮したオーケストラと比較すると、ベルリン・フィルには音自体という面で及ばないにせよ、北ドイツ放送交響楽団に引けを取らないものがあります。ケルン放送交響楽団というと、管理人は若杉弘さんが首席指揮者を務めたことがあるオーケストラという程度の認識しかないのですが、少なくとも録音当時のケルン放送響は世界的に一流と言って良い実力を有しています。
管理人はヴァント/ケルン放送響のブルックナー全集を3000円以下という値段の安さに惹かれて買ってみたのですが、たいへん良い買い物だったと思います。同コンビのブルックナーは、管理人にとっての私的スタンダードにしてもよいくらい明快で、普遍妥当性を有しているのです。
Bruckner: Symphonies No.1 - 9
REDSE
2010-11-05

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