コルトーのドビュッシー「子供の領分」

今日の東京は夜の間降っていた雨は朝方に上がり、初夏の陽気でした。
今日はドビュッシーの「子供の領分」を聴きました。アルフレッド・コルトーの1947年録音です。

「子供の領分」は、「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」「象の子守歌」「人形へのセレナード」「雪は踊っている」「小さな羊飼い」「ゴリウォークのケークウォーク」の6曲から成ります。いずれも1分半~2分半の短い曲で、全部でこのコルトー盤で13分40秒くらいの曲です。
本曲はドビュッシーが愛娘クロード=エマのために作曲したものですが、子供向きの練習曲ではなく、大人の目で見た子供の世界を、ドビュッシーが独自のインスピレーションと想像力に基づいて描写したものです。例えば第1曲「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」は、クレメンティの同名の曲を子供が退屈そうに練習している様子を描いたものです。また第2曲は子供が象のぬいぐるみを抱きながら眠る様子を描いたものです。全6曲とも、親しみやすい曲なのではないでしょうか。
このように各曲に関する前提知識を持って、ドビュッシーがどのように描いているのかを聴いてみると興が増すと思います。管理人は特に、「雪は踊っている」「ゴリウォークのケークウォーク」に魅かれるものを感じます。

さてコルトーの演奏ですが、今一つ冴えがないかな、という実感です。「雪は踊っている」での独自の味付けなど聴かせどころはあるのですが…。全体的に多彩さが足りず、彼がショパン演奏などで見せていたクリエイティビティが欠けているように思うのです。録音時期が1947年という彼(1877-1962)の晩年のせいなのではないかと思います。
ギーゼキングを始め演奏技術の達者なピアニストによる明快・客観的な録音が多数出ている現在では、コルトーのような旧世代に属する個性派は、傑出した個性を発揮できない限り厳しい立場に置かれてしまうと思いますが、本録音でのコルトーは年齢による衰えからそのような個性を発揮できなかった、というのが実際なのではないでしょうか。

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