アメリング/デムスのハイドン「12のクラヴィーア伴奏歌曲」

今日の東京は小雨の降る梅雨らしい1日でした。東京では少なくとも1週間、青空の見えない毎日が続いています。今年の梅雨は本格的な梅雨だと言えそうです。
今日は、ハイドンの「12のクラヴィーア伴奏歌曲」第1部及び第2部を聴きました。第1部・第2部ともに12曲から成っているので、計24曲を聴いたことになります。ホーボーケン番号では、XXVIa-1〜XXVIa-24ということになります。
演奏はエリー・アメリング(S)とイエルク・デムス(p)です。1980年7月の旧Philipsへの録音です。

ライナーノート(アルフレート・ボージャン(石井不二雄訳))によると、ハイドンの「12のクラヴィーア伴奏歌曲」第1部は1781年、第2部は1784年の出版されたということです。ハイドン(1732-1809)にとっては中期の作品ということになります。
ハイドンの歌曲というと一般にはあまり知られていないようですが、今日聴いた24曲のどれもが清朗かつ純粋で、たいへん美しい曲です。豪華だったり華美だったりするのではなく、古典的な節度を持った美しさです。また節度のある明るさと知性が感じられます。クラシック歌曲を聴く楽しみ・喜びを満喫することのできる作品です。
ハイドンは驚異的な作曲家だと思います。彼は「交響曲の父」であると共に「弦楽四重奏曲の父」であり、彼の作曲した100曲以上の交響曲、約80曲の弦楽四重奏曲は宝の山であり、凡曲など1曲も聴いたことはありません。彼が作曲したのは交響曲と弦楽四重奏曲だけではありません。管理人は彼のピアノ三重奏曲全集、バリトン三重奏曲全集、ピアノ・ソナタ全集を持っています。一般に知られていない曲が大半ですが、いずれも佳曲だと思います。これほどあらゆる分野で膨大な数の曲を作曲し、そのどれもが高水準とは、本当に驚異的です。ハイドンは同世代のモーツァルトと同じくらいの天才だったのではないかと思います。
今日聴いた歌曲もそうです。シューベルト歌曲のような深さはないのかもしれませんが、気軽に手にとって聴くことができ、音楽を聴く喜びを素直に味わうことのできる清朗で美しい曲ばかりです。

アメリングとデムスの演奏は、音楽之友社の1981年度のレコード・アカデミー大賞を受賞したという名盤です。管理人は2009年のハイドン没後200年の記念イヤーにユニバーサル・グループがデッカ・レーベルで再発した際に入手しました。それまではハイドンの歌曲を聴いたことがなく、ハイドンはこんなにたくさんの美しい歌曲を作曲していたのか、と驚嘆したのを憶えています。
アメリングの歌唱は、ヴィブラートを廃した清純かつ端正なもので、彼女の生来の美声をそのまま生かしたものです。ハイドンとの相性はたいへん良いと思います。デムスは、日本ではあまり評価されていないピアニストのように思いますが、管理人は、少なくとも伴奏ピアニストとしてのデムスに不満を感じたことはありません。本録音が発売時、レコード・アカデミー大賞を受賞したというくらい高く評価されたのが納得できます。

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