ヴァント/北ドイツ放送響のブラームス「交響曲第4番」

ブラームス:交響曲第4番 - 北ドイツ放送交響楽団
ブラームス:交響曲第4番 - 北ドイツ放送交響楽団

今日の東京は、昨日までの雨が朝方まで続いていましたが、雨は午前中に止み、以降は曇り空でした。昨日・一昨日と真冬のような寒さでしたが、今日はいくぶん暖かくなりました。しかし、まだ11月なのに、最近、冬のような寒さの日が増え、今冬は厳冬になるのではないかという予感がします。

今日の1曲は、ギュンター・ヴァント指揮北ドイツ放送交響楽団(現名: NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団)の演奏するブラームスの交響曲第4番ホ短調作品98を聴きました。1997年12月7〜9月のライブ録音です。
ライブなのに録音日が数日にまたがっているのは、本番の一発録音ではなく、複数日にわたる本番、または本番とゲネプロという複数の音源を編集して作成した録音だからです。ヴァント(だけではありませんが)晩年の録音が、ライブにもかかわらず完成度が高いのは、そのように複数の音源から編集するという手法が取られているためです。

さてブラームスの交響曲第4番は、急・緩・急・急の4楽章構成です。
第1楽章は有名な憂愁の旋律で始まります。しかし第2楽章は平穏で抒情性の感じられる緩徐楽章です。第3楽章は力強く決然としたスケルツォ。第4楽章はパッサカリア形式で書かれており、クライマックスに向かって盛り上がります。
このように、第1楽章だけを取ってみれば渋い憂愁の音楽ですが(それゆえこの部分は今日のような晩秋によく合います)、抒情性や力強さをも合わせ持った曲です。管理人は、第1楽章が異質なのであり、全体的としてはオーケストラの特長をフルに発揮させようとした、古典的要素の強い曲のように思います。

ヴァントの演奏は堂々とした力強いものです。テンポは早めのインテンポです。耳を澄まして聴いていると、隅々まで音が鳴りコントロールされているのが分かります。明快な主知派らしい演奏です。管理人は第1楽章と第2楽章、特に第1楽章でもっとテンポをゆったりと取って旋律を歌わせるようなことをした方が良いと思わないでもないですが、それはヴァントの流儀ではありません。彼はあくまでインテンポを貫きます。
ブラームスの交響曲をベートーヴェンの延長線上に捉える立場の方からは歓迎されそうな演奏です。
他方、ブラームスをドイツ・ロマン派の作曲家と捉える立場からは、ヴァントの演奏に違和感を感じる方もおられるかと思います。演奏家及びリスナーのブラームス観の問題と言うべきです。

北ドイツ放送響は、ドイツ伝統の重厚な音色を聴かせてくれます。オーケストラ・ビルダーとして優秀だったヴァントの下、ハイレベルなオーケストラであることが分かります。
以前本ブログで書いたことがありますが、管理人はブラームスについて、良い意味でも悪い意味でも伝統的なドイツ・オーストリア音楽の範囲内で発想された音楽だと考えています。そのような考えからすると、ブラームスのオーケストラ曲に最も適合しているのは、ウィーン・フィルと、ベルリン・フィル以外のドイツのオーケストラだと思います。「ベルリン・フィル以外」というのは、ベルリン・フィルがカラヤン時代にインターナショナルなオーケストラに変貌したと思うからです。ベルリン・フィルやシカゴ響のようなインターナショナルなスーパー・オーケストラについては、ブラームスとの相性がどうなのか、と思います。

本ヴァント盤を聴いて思うのですが、北ドイツ放送響の重厚堅固な音色はブラームスの交響曲第4番との相性がたいへん良いように思います。
本録音は、ブラームスをベートーヴェンからつながる古典的音楽と捉えた、ドイツの伝統的なブラームス演奏として、名演だと思います。
もちろんブラームスのロマン派的要素を強調した演奏もあって然るべきで、有名どころでは昔懐かしのワルター/コロンビア響がそのような演奏だったと記憶しています。

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