リヒテルのベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第7番」

今日、日曜の東京は冬晴れの1日です。今日は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第7番二長調作品10ー3を聴きました。演奏は、スヴャトスラフ・リヒテルのピアノで、1976年6月のEMIへの録音です。

本曲は、急・緩・急・急の4楽章構成を取ります。
第1楽章は流麗でスケールが大きい楽章です。
第2楽章は、ベートーヴェン初期らしい、しっとりとした情感豊かな楽章です。作曲当時28歳だった青年ベートーヴェンのデリケートな心模様が現れているようです。
第3楽章はメヌエットですが、ハッとするほど美しく心優しいメロディで始まりますが、途中で流麗に転じます。
第4楽章は、明るく活気に富んでいます。

本曲は、三大ソナタの一つである「悲愴」が第8番なのでその直前のソナタということになります。管理人は本曲をベートーヴェンのピアノ・ソナタ分野での最初の傑作だと考えています。第6番以前が凡曲というのではありませんが(例えば第4番などはかなりの作品だと思います)、本曲第7番に第6番以前よりも一歩突き抜けた充実性と独創性を感じるのです。
また、本曲の後も「悲愴」を始め、9番・10番と初期の傑作が続いており、本曲の作曲を通じて青年ベートーヴェンがぐっと飛躍したように思います。

リヒテルの録音は、カップリングされたベートーヴェンのソナタ第1番と共に、西側に出てフランスで録音されたものです。管理人は1970年代後半からクラシックを聴き始めたのですが、第1番と第7番のカップリングのLPが発売になった時たいへん話題になった記憶があります。リヒテル(1915ー1997)は録音当時61歳だったことになります。
管理人は、リヒテルの録音は1980年頃から鈍重になったように感じ、1980年代、90年代の録音はあまり好きになれないでいます。彼の録音は、1970年代までが良かったのではないでしょうか。名演として有名なバッハの「平均律クラヴィーア曲集」もシューベルトのソナタ21番も、1970年代の録音です。

本録音はリヒテルの良かった時代の録音ということになりますが、第2楽章・第3楽章はもっとデリケートな表現の方が良かったように思います。こういうところで思い起こしてしまうのが、管理人がベートーヴェン弾きとして愛好しているケンプやブレンデルです。彼らなら、彼らなりのやり方で非常にデリケートな表現を心掛けただろうと思います。
しかし両端楽章の力強く、かつ流麗な表現は、さすがリヒテルというべきです。全体としてはかなりの名演だと思います。

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