タートライSQのハイドン「弦楽四重奏曲第61番『剃刀』」

今日の東京は晴天で、12月中旬という時期らしくない暖かさでした。この冬は暖冬なのかもしれません。

最近ネットを見ていて、音楽之友社の2019年度の「レコード・アカデミー賞金賞」が、古典四重奏団の「ショスタコーヴィチ『弦楽四重奏曲全集』」が授与されるというニュースを目にしました。意外なニュースです。
意外というのは、第一にジャンルです。室内楽部門のCDが受賞したことです。第二に演奏家です。日本人の演奏家が受賞したことです。
室内楽は管理人の好きなジャンルですが、これまでの「レコード・アカデミー賞金賞」は交響曲またはオペラ分野に授与されることが多く、室内楽部門のCDが受賞するのは管理人はあまり記憶にありません。1980年代にアルバン・ベルク四重奏団のバルトークの「弦楽四重奏曲全集」が受賞した(当時は「レコード・アカデミー大賞」)ことは覚えていますが、それ以降今までに室内楽分野から受賞盤が出た例があったかどうか…。
管理人は、「レコード芸術」誌自体を15年くらい読んでいないので、確かなことを言えないのですが。
「レコード芸術」誌には、管理人が読まないでいる間に変化があったのかもしれません。

また受賞者である古典四重奏団は、約10年前、ブログ仲間の方が賞賛しておられ、管理人自身も実演を聴きに行ったことがあるカルテットです。高い技術と表現力を持った団体だと記憶しています(曲目はショスタコーヴィチでした)。
しかし従来であれば「レコード芸術」誌の評論家の方々は、本場物志向が強く、これまで日本人演奏家にあまり高い評価を与えていなかったように思います。この点も変化があったのかもしれません。

さて今日の1曲は、ハイドンの弦楽四重奏曲第61番へ短調作品55ー2です。「剃刀」というニックネームを付けられている曲です。
ハイドンの作品54と55はともに3曲ずつの弦楽四重奏曲で構成されており、作品54と55の計6曲の弦楽四重奏曲を合わせて「第1トスト弦楽四重奏曲」と呼ぶこともあります。本曲は作品55ー2なので、「第1トスト弦楽四重奏曲」の5曲目ということになります。
演奏は、Hungarotonレーベルのタートライ弦楽四重奏団です。1983〜84年の録音です。

本曲は4楽章構成ですが、第1楽章が素晴らしい出来です。変奏曲形式で作曲されているのですが、第1ヴァイオリンが、スケール大きく流麗極まりない旋律を朗々と奏でます。
第2楽章から第4楽章までも充実した出来映えで、特にプレストの第4楽章にはハイドンらしい上品なユーモアが感じられます。

ハイドンの弦楽四重奏曲というと、「皇帝」をはじめとする6曲から成る作品76の「エルディーディ」弦楽四重奏曲が有名だと思いますが、実際はそれ以外にも佳曲が少なくありません。この「剃刀」のニックネームを持つ作品55ー2もその一曲です。
ハイドンの作曲した約80曲の弦楽四重奏曲を読書でもしながらBGMとして聴いている中で、ふと良い曲を発見するというのは、クラシック鑑賞の醍醐味の一つだと思います。

往年のハンガリーの名カルテット、タートライSQの演奏は、素朴な中にも暖か味の感じられる演奏です。切れのある演奏ではありませんが、素朴で純真なハイドン作品にふさわしい演奏だと思います。管理人は、タートライ、エンジェルス、コダーイ、ブッフベルガーの各四重奏団という4種類のハイドンの弦楽四重奏全集を所有していますが、その中ではタートライがいちばん良いかなと思い始めたところです。

追記 レコード・アカデミー賞金賞は、室内楽部門では、1999年度にエリック・ル・サージュ(p)他のプーランク「室内楽全集」が受賞しており、今年度の古典四重奏団のショスタコーヴィチはその時以来20年ぶりのようです(12/16記)

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