ライスター/ウィーンSQのウェーバー「クラリネット五重奏曲」

今日の東京は一日中雨です。
今日は、昨日に続いてカルロ・マリア・フォン・ウェーバーの作品を聴きました。
クラリネット五重奏曲変ロ長調作品34です。
演奏はカール・ライスター(cl)とウィーン弦楽四重奏団です。1982年12月のカメラータ(Camerata)レーベルへの録音です。

ウェーバーは本曲の他に、2曲のクラリネット協奏曲などクラリネットのための曲を何曲か作曲していますが、クラリネット五重奏曲は本曲が唯一の作品です。
急・緩・急・急の4楽章構成を取り、本ライスター盤で27分半の長さです。
第1楽章はウェーバーらしい明朗・華麗な楽章で、クラリネットが妙技を発揮します。
第2楽章はアダージョですが、情感豊かに作られています。
第3楽章はメヌエットで、明るく優雅です。
第4楽章はロンドで、聴いていて楽しくなってくる曲調です。

モーツァルトやブラームスのクラリネット五重奏曲がクラリネットと弦楽四重奏が対等なアンサンブルとして作られていたのに対し、ウェーバーの本曲はクラリネットの名技性が前面に押し出され、弦楽四重奏は伴奏のような位置づけであまり見せ場のない曲だと言えます。

モーツァルトの曲が、明朗でユーモラスな面と柔らかく深い面の双方を有するクラリネット独特の音色を生かして、表面的な明朗さとその背後に流れている悲哀の両方を表現しえたのに対し、ウェーバーの本曲はもっぱらクラリネットの明朗・ユーモラスな面を前面に押し出した曲だと言えます。
クラリネット五重奏曲のCDというと、大半はモーツァルトとブラームスのカップリングです。ウェーバーの本曲はモーツァルト、ブラームスのクラリネット五重奏曲と比べると録音数はずっと少ない(管理人は本ライスター盤とメイエ/カルミナSQ盤しか持っていません)のですが、その原因は以上の辺りにあるのではないでしょうか。

もっとも、歴史にイフは禁物ですが、もしブラームスが晩年にクラリネットの名手ミュールフェルトと出会うことがなくクラリネットのための作品を書くことがなかったら、本曲はモーツァルトのクラリネット五重奏曲と並んで多く録音で取り上げられていただろうと思います。

さてカール・ライスターは、ベルリン・フィルの首席クラリネット奏者を30年以上にわたって務めた20世紀の名手です。管理人は1980年代にライスターの実演を聴いたことがあります。
本録音でも、持ち前のテクニックを発揮して、クラリネットの名技性の要求される本曲をのびのびと弾きこなしています。
ウェルナー・ヒンク率いるウィーンSQとは、本盤と同じカメラータ・レーベルで、モーツァルト、ブラームスのクラリネット五重奏曲を録音しており、呼吸はぴったりです。本曲の理想的な名演ではないかと思います。
ただし本曲は21世紀に入ってから録音が少ないように思います。大活躍中のアンドレアス・オッテンザマーら現代のクラリネット奏者による新しい録音の登場に期待したいものです。

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