菅きよみ/若松夏美/鈴木秀美のハイドン「フルート三重奏曲」

今日日曜の東京は暖かな冬晴れの1日です。
今日はハイドンのフルート三重奏曲6曲を聴きました。ホーボーケン番号でHob.Ⅳー6〜Ⅳー11の6曲です。
演奏は菅きよみ(フルート・トラヴェルソ)、若松夏美(vn)、鈴木秀美(vc)というわが国のトップ古楽器奏者によるものです。2004年7月26〜29日のアルテ・デラルコ(Arte dell arch)レーベルへの録音です。アルテ・デラルコとはチェリスト/指揮者の鈴木秀美のプロデュースによるレーベルで、国内盤は(株)キング・インターナショナルから発売されています。

さてハイドンのフルート三重奏曲というと、クラシック・ファンの中でもよほど詳しい方でない限り、「?」なのではないでしょうか。管理人があるファンにハイドンのフルート・トリオが良いという話をしてみたところ、「ハイドンは色々な曲を作ってますからね」というような反応しか得られませんでした。
本曲についてはライナーノートに鈴木秀美自身が簡にして要を得た文章を寄せています。

「6曲はすべて3楽章構成で比較的短く、簡素で親密な雰囲気を醸し出している。技術的に特別高度な技巧が必要とされるわけではなく、弦楽四重奏に見られるような構築性や緻密さ、主題の展開などはあまりない。全体として気軽で娯楽的、ディレッタントの愉しみにも打ってつけの曲集と言えるだろう。」

確かに気軽に楽しむことのできる作品集です。しかし第1番Hob.Ⅳー6と第4番Hob.Ⅳー9は第1楽章がアダージョとなっており、ハイドンが作曲に当たってそれなりに苦心していることが分かります。
全体的にチェロは通奏低音、ヴァイオリン伴奏の役割で、聴かせどころはほぼフルートという作品集だと言えます。
そのせいもあり、曲自体を聴くというより、フルートの音色・演奏を楽しむという姿勢で聴くのがよいのではないでしょうか。
菅きよみさんのフルート・トラヴェルソの古雅で清朗・清澄な音色と、端正・上品な演奏を聴いて楽しむべき1枚のように思います。

ここから余談になりますが、管理人は、バロックはもちろんハイドン・モーツァルトの古典派のフルート曲は、古楽器での演奏が好きです。ジャン・ピエール=ランパルを始めとする現代楽器による演奏は、朗々と鳴り過ぎて、バッハやハイドン作品との様式的齟齬を感じます。ランパルによるバッハのフルート・ソナタはその端的な例です。一言で言うと、「笛」を聴いているという気持ちになれないのです。
ロマン派以降のフルート作品なら現代楽器によるアプローチは大いにあり得ると思いますが、バロック作品やハイドン、モーツァルトのフルート作品は、笛を聴いている気持ちになれる古楽器で演奏されるのが好ましいように思います。

またハイドンの室内楽について一言。ハイドンは生涯にわたり膨大な作品を残しました。管理人はハイドンの交響曲よりも室内楽を好んでいます。ハイドンの室内楽というと、約80曲の弦楽四重奏曲以外は実演で耳にする機会が乏しく録音数も少ないのですが、実際は弦楽四重奏曲以外にも佳曲が少なくないように思います。約40曲存在するピアノ・トリオ、120曲以上作曲されたバリトン・トリオがその好例です。
ハイドンにフルートのための作品がどのくらい存在するのか管理人はよく分からないのですが、ハイドンの室内楽は宝の山であることを実感します。

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