シェリング/ヘブラーのベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第6番」

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全曲 - シェリング
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全曲 - シェリング
今日の東京は快晴で、典型的な五月晴れの一日です。こんなに良い日なのに遠出は不可能、散歩さえ控えなければならないとは本当に残念です。
今日は、昨日に続きベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタを聴きました。第6番イ長調作品30ー1です。
演奏は昨日に続いてシェリング/ヘブラーです。1978年6月の録音です。

本曲は急・緩・急の3楽章構成を取ります。
第1楽章は落ち着いた穏やかな楽想です。
第2楽章は抒情的な美しい楽章です。ピアノ部分の奏でる旋律に特に美しさを感じます。ベートーヴェンの作品30には3曲のヴァイオリン・ソナタが含まれていますが(第6〜8番)、これら3曲の緩徐楽章はいずれも非常に美しく、時が経つのを忘れていつまでも音楽に浸っていたいと感じさせる楽章です。
第3楽章は活発です。ただし弾けるような活発さではなく節度が維持されています。

ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタというと第5番「スプリング」と第9番「クロイツェル」が非常に有名ですが、これら両曲に挟まれた第6〜8番の3曲、すなわち作品30の3曲は、「スプリング」「クロイツェル」と並ぶというと言い過ぎですが、著しく劣らない魅力を持っているのではないでしょうか。作曲時期は1803年で、交響曲では第1番と第2番の間の時期、ピアノ・ソナタでは「テンペスト」「ワルトシュタイン」と同時期の作曲です。ベートーヴェンがたいへん充実した作曲活動を行なっていた時期であり、ヴァイオリン・ソナタの分野でも名曲が生まれたということなのでしょう。

シェリング/ヘブラーの演奏は、昨日の「スプリング」と同様、非常に誠実で丁寧なものです。
「スプリング」ではもう少しのびのびとした演奏の方が良いように思わないでもなかったのですが、今日の第6番では、彼らのスタイルが「スプリング」よりも曲の性質に適合しているように思います。

この後は余談です。
管理人は、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集は9種類の録音を所有しています。ヴァイオリニストのアルファベット順に、フランチェスカッティ/カサドシュ、グリュミオー/ハスキル、ムター/オーキス、オイストラフ/オボーリン、パールマン/アシュケナージ、スターン/イストミン、スーク/パネンカ、シェリング/ヘブラー、ヴェーグ/シフです。
この中でオイストラフ/オボーリン盤は管理人が最初に購入したもので、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタというとオイストラフ盤しか持っていない時期が長かったので、別格的存在ですが、その次にスーク/パネンカかシェリング/ヘブラーが管理人の好みです。
5年くらい前ならオイストラフに次いでパールマン/アシュケナージを挙げていただろうと思います。しかし今は、彼らのようなのびのび演奏型(スターン/イストミンもそうだろうと思います)よりも、スーク盤やシェリング盤のように誠実にデリケートにきちっとしてくれるスタイルを好んでいます。
もっとも今年の2月にムター/オーキスのベートーヴェンの実演を聴いたのですが、今の彼らが再録音すれば相当な名演奏になるだろうと思いました(昨今の録音事情を考えるとあり得ない話ですが)。
なお「レコード芸術」誌の名盤選びで絶賛されている某録音が欠けていると思われる読者の方がおられるかもしれません。管理人も聴いたことがあるのですが、アンサンブルとしてどうか、と思ったので、買わないまま今まで来たのです。

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