ラローチャ/デイヴィスのモーツァルト「ピアノ協奏曲第21番」

Larrocha Plays Mozart - Mozart / Larrocha / Davis
Larrocha Plays Mozart - Mozart / Larrocha / Davis
今日の東京は快晴で初夏の一日でした。最高気温は30℃近くまで上昇したようでしたが、風が涼しく、夏本番ではないことが感じられます。
今日の1曲はモーツァルトのピアノ協奏曲第21番ハ長調K467です。
演奏はアリシア・デ・ラローチャ(p)とコリン・デイヴィス指揮イギリス室内管弦楽団です。1991年2月9〜11日のRCAへの録音です。

モーツァルトのピアノ協奏曲、特にその第20番から27番までの8曲はいずれも傑作ですが、クラシック・ファンに止まらない一般的知名度という点では、この第21番だと思います。それは映画音楽に使用されたことがあるという甘美な第2楽章のゆえです。
しかし本曲の傑作たる所以は第2楽章だけではありません。第1楽章は明るく堂々した立ち上がりから、優雅で流麗に流れます。木管楽器の活躍が印象に残ります。
有名な第2楽章は優美かつ静謐で、甘美です。至純の音楽です。音楽の美しさそのものを耳にする思いです。
第3楽章は明るく快活で、素晴らしい出来だと思います。

本曲は第1・3楽章も第2楽章に劣らない傑出した出来で、曲トータルで見て大傑作だと思います。管理人が10代の若い頃から現在までの40年間、愛好し続けている曲でもあります。

本曲でのラローチャの演奏は傑出しています。彼女の音色は、暖かく柔らかくまろやかです。ゆっくり目のテンポで、自然体のピュアな演奏です。特に第2楽章での静かで淡々とした演奏が心に残ります。
コリン・デイヴィス指揮イギリス室内楽管弦楽団の演奏は、堂々としている反面、面白さに欠けるようにも思います。モーツァルト演奏を得意としていたデイヴィスの個性が発揮されていないようにも思いますが、この点は、面白い演奏をしてはラローチャが個性を発揮できないという配慮から中庸の演奏を心がけているのではないかと思います。
管理人はラローチャのモーツァルトが大好きです。彼女がデイヴィス指揮イギリス室内管弦楽団と共演したモーツァルトの協奏曲集は、第9番、第19番から27番までの9曲、それに2台のピアノのための協奏曲の計11曲が残されていますが、管理人はモーツァルトのピアノ協奏曲演奏では、他の誰よりもラローチャ/デイヴィス盤を好んでいます(その次がカサドシュ/セルのソニー盤だと思います)。
モーツァルトのピアノ・ソナタでも、ラローチャの演奏を最も好んでいます。
ラローチャの暖かく柔らかな自然体の演奏(RCAの暖色系の録音技術がラローチャの音色をうまく捉えていると思います)は、モーツァルトの優雅で至純の音楽との相性がたいへん良いように思います。

追記(2020/5/30) 管理人はモーツァルトのピアノ協奏曲全曲は、ピアニストのアルファベット順にバレンボイム/ベルリン・フィル、ブレンデル/マリナー、A・シュミット/マズア、シフ/ヴェーグの4種類を所有しています(ラローチャもカサドシュも、ピアノ協奏曲全曲ではありません)。
この4種類の中では、シュミット/マズアかシフ/ヴェーグかなと思います。
ブレンデル/マリナーも良いのですが、録音期間が10年以上の長期にわたっており演奏様式に統一感が欠けるのと、時期の遅い録音がもう一つのように思います。

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この記事へのコメント

2020年05月31日 23:13
アルトゥール様、こんにちは。
私もラローチャ/C.デイヴィスによる第20・21番のCDが大好きです。
それは好きな盤の中でも特にグルダやハスキルと共に好きなBEST3となっています。
ラローチャの音は他の演奏家のモーツァルトには珍しい、アルトゥール様の記された"暖かく柔らかくまろやか"という一見モーツァルトに持つイメージとは違うものなのかも知れませんが、私もこの音で聴くモーツァルトが好きです。
この柔らかめの優しさを持つラローチャとヘブラーのピアノ・ソナタも同じく大好きです。
いつも素敵な記事をありがとうございます。
2020年06月01日 17:25
よしな様
コメントを頂き有難うございます。
ラローチャのモーツァルトに御賛同をいただき、有難うございます。
彼女のモーツァルトは、優しく温かく謙虚な人柄がそのまま自然に演奏に現れているようで、好きです。
グルダのモーツァルトのコンチェルトは昔よく聴きました。オケがすばらしく良く、何もかも揃っていて非の打ち所がない録音だったと思います。もっとも私の好み(あくまでも好みです)は、ラローチャ、カサドシュ、ブレンデル、それにゼルキン(ソニー盤)です。
ハスキル、ヘブラー、この辺りはラローチャ、ピリス、内田光子と共に女流モーツァルト弾きの系譜ですね。