石井妙子『女帝 小池百合子』(文藝春秋)

女帝 小池百合子 (文春e-book) - 石井 妙子
女帝 小池百合子 (文春e-book) - 石井 妙子
少々以前の話になるが、石井妙子『女帝 小池百合子』(文藝春秋)という新刊書を読了した。
本書の奥付を見ると、「令和2年5月30日 第1刷」とある。管理人が本書を書店の店頭で見て購入したのは、5月31日か6月1日ではなかったかと思う。あまりの面白さに、購入したその日のうちに最後まで読み終えた。全くの一気読みだった。

本書は小池都知事が1952年(昭和27年)兵庫県芦屋市に誕生してから現在に至るまでの軌跡を追うものである。
一言で言うと、(本書によれば)彼女の人生は虚飾で塗り固められたものである。
彼女はテレビキャスターを経て、1992年の参議院選挙に日本新党から立候補・当選し、以降現在まで、約28年間にわたり政治家人生を送っている。しかし彼女は、国民のため・都民のため働こうという気持ちは一切持っていない。彼女はひたすら自己中心的な性格で、政治家を職業にしているのは、極端なまでに強い上昇志向・権力志向のせいである。

彼女の政策はないに等しい。その時々に都合の良い政策を並べているだけである。それらの政策を実行しようという気持ちはないし、実行力は持っていない。というより、彼女の掲げる政策は自らが上昇するための手段にすぎないのだ。
彼女が日本新党→新進党→自由党→自民党→希望の党と転々とした「政界渡り鳥」であることは、多くの国民の知るところだろうと思う。
それも当然である。彼女には信念のようなものはない。その時々に、自分の上昇・権力掌握にとって都合の良い政党を探して渡り歩いているにすぎない。細川護熙氏・小沢一郎氏・小泉純一郎氏など、それぞれの時代で国民の支持を集め権力を握った政治家の下へ近づいていき、彼らに利用価値がなくなった見るや冷酷に切り捨てる。自分が女性であることも最大限に利用する。
本書は、このような小池氏の虚飾と虚言、背信行為に満ち溢れた自己中心的な半生を、時系列の順に詳しく描いている。

小池氏のカイロ大学卒業という学歴が詐称ではないかという疑惑は、以前からマスコミやネット上等で囁かれていた。本書を読むと学歴詐称だと思わざるを得ないが(もっともカイロ大学は数日前、彼女が卒業したことを証明するという声明を出した)、彼女がこれまで行ってきた数々の虚言・裏切り行為等からすれば、学歴詐称など彼女にとって些細なことにすぎないのだろうと思う。
本書には詳しく述べられていないが(もっとも手掛かりとなるようなことが述べられている)、金銭面でもそうとうブラックな面があるだろうと思う。

2012年の安倍政権の成立以降、小池氏は自民党内で冷遇され、2016年に東京都知事に転じた。
しかし希望の党党首という立場で臨んだ2017年の衆議院総選挙で敗れ、都知事のまま政治家人生を終えるのかと思われた。
今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、彼女にとってまさに神風だろうと思う。コロナ禍は、一度は諦めかけていた総理の椅子を手に入れる絶好のチャンスに見えるだろう。
彼女はコロナ退治を通じて一般国民の人気を上げ、今年7月の東京都知事選で大勝し、国政に復帰する道を虎視眈々と狙っているだろう。
管理人は東京都民なので、このような人物が現在知事を務め、今後さらに上を目指していくのかと思うと、暗い気持ちになった。

ところで一般に、政治家の軌跡を追うような本は、著者の当該政治家に対する好悪がはっきり現れ、内容が果たして真実なのかという信頼性に欠けるものが多い。しかし本書は数多くの当事者に取材している上、当時のテレビ報道・新聞等にきちんとソースを求めており信頼性が高い。
今年7月の都知事選を前にした東京都民にとって必読の書ではないだろうか。

なお著者の石井妙子氏は、1969年神奈川県茅ヶ崎市生まれとのことだが、管理人が石井氏の著作を読むのは本書が初めてだった。相当な取材力と筆力を持つノンフィクション・ライターだと思う。

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