ピリスのモーツァルト「幻想曲ハ短調K475」(1984年録音)

今日の東京は曇り空の一日です。新型コロナウイルスの感染拡大が続いていますが、沖縄での人口当たり感染者が先週末頃から東京を上回り、全国最悪ペースとなっています。同県の医療事情が心配です。
今日の1曲はモーツァルトの幻想曲ハ短調K475です。
演奏はマリア・ジョアン・ピリスです。1984年2月のERATOへの録音です。
ピリスは本曲を、1970年代にDENONレーベルへの初回のモーツァルトのピアノ・ソナタ全集の一環として録音し、1990年代にDGレーベルに入れた2回目のモーツァルトのピアノ・ソナタ全集の一環としても録音していますが、それらと独立して1980年代に本曲を当時所属していたERATOにも録音しています。DENON→ERATO(本録音)→DGの順ということになります。

本曲幻想曲ハ短調K475は、本ピリス盤で12分31秒という小曲ですが、非常な名曲なのではないでしょうか。モーツァルトには他にも幻想曲ニ短調K397、ロンドイ短調K511のような小曲の名曲はありますが、管理人が最も好きなのは本曲、幻想曲ハ短調です。
うまく言葉で言えないのですが、本曲には抒情性と不気味さ(今日のような真夏にもヒンヤリとするような不気味さを感じます)という背反する要素、疾走するような迫力、それにモーツァルトには珍しい前衛性が感じられます。これらの要素がブレンドした絶妙の作品のように感じられるのです。

ピリスの本曲の録音は、1970年代のDENON録音に次ぐ2回目の録音ということになります。たいへん濃密な、凝集性の高い演奏だと思います。強い集中力が感じられます。管理人はDENON録音をも持っているのですが(1990年代の3回目のDG録音は未聴です)、この2回目録音の方が格段に味わい深くなり、名演だと感じます。
本曲の録音では古くはワルター・ギーゼキングが名演を残していましたし、比較的最近の録音ではブレンデルに感心した覚えがあるのですが、ピリスの1984年のERATO録音はそれらに引けを取らない名演だと思います。

以下は余談です。来月、ピリスのDGレーベルへの全ての録音を集成したボックスが発売されるようです。彼女のDGへの録音は、これまで協奏曲、室内楽、ソロの3つに分けてBOX化されていましたが、それらを合体するようです。
管理人はピリスの1980年代半ばまで所属していたERATOへの録音のBOXは持っているのですが、1980年代半ば以降のDGへの録音はソロを中心に5〜10枚くらいを個別に持っているだけで、クラウディオ・アバドとの協奏曲、オーギュスト・デュメイとの室内楽等はほぼ持っていないので、購入したい気持ちはあります。値段はそれほど高くないと思います。問題は自室は本とCDだらけになってしまい、置くスペースに困ることです。値段よりも置き場がないことの方が問題なのです…。

読者の中には管理人が室内楽ファンであることを御存知の方がおられるかもしれません。そのような方は、管理人がピリスのデュメイとの室内楽の録音を持っていないと聞いて違和感を感じられるのではないでしょうか。確かにデュメイ/ピリスの録音は「レコード芸術」誌上でたいへん評判が良いのですが、管理人はこのコンビでの録音が始まった頃聴いてみて(曲はモーツァルトだったと思います)、違和感を感じたのです。それで、このコンビの録音をほとんど買わずに今まで来たのです。
もっとも違和感を感じたのは15年以上も前のことなので、今の耳で聴いてみるとまた別の感想を持つのではないかと思います。

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