ルービンシュタインのシューマン「交響的練習曲」

今日の東京は気温は高めで、秋晴れの好天気でした。
今日はシューマンの「交響的練習曲」作品13を聴きました。演奏はアルトゥール・ルービンシュタイン(p)です。1961年11月19日のRCAへの録音です。

管理人はシューマンのピアノ曲が(彼の歌曲とともに)好きでいます。一般には「子どもの情景」が有名なのだろうと思いますが、本曲交響的練習曲は「クライスレリアーナ」作品16、「幻想曲」作品17と並び、シューマンのピアノ曲分野での最高傑作ではないでしょうか。
管理人の愛好する曲でもあります。
曲は名前通り練習曲ですが、変奏曲として作られています。印象深い冒頭に始まり、全曲的にシューマンらしい濃厚な抒情、奔流のような情熱、それに時おり垣間見せる優しさに溢れています。濃厚なロマンティシズム溢れるシューマンらしい傑作です。

巨匠ルービンシュタインは、ショパンに次いでシューマン、ブラームスを愛していました。シューマンについてもピアノ協奏曲や室内楽、多くのピアノ曲の録音を残しています。
しかしルービンシュタインには、ショパン弾きのイメージはあってもシューマン弾きのイメージはないのではないでしょうか。それはショパンの時のように体系的・網羅的に録音を残さなかったこと、それに名盤という評価の高い録音があまりないせいではないでしょうか。
今日聴いた「交響的練習曲」を聴いても、むろん凡演ではありませんが、傑作した出来でもないように思います。
ルービンシュタインらしい暖色系のまろやかな音色で弾かれる自然体の演奏なのですが、まとも過ぎてデモーニッシュな迫力、感情の奔流に欠けるように思うのです。もっとも本曲のスタンダードな演奏ということは言えるだろうと思います。

本曲「交響的練習曲」はこれまで、どのような録音が名演だと評価されてきたのでしょうか。
ホロヴィッツ、アルゲリッチという本曲向きに思われるピアニストは、なぜか本曲の録音を残していません。
管理人がクラシックを聴き始めた1970年代後半、既に本ルービンシュタイン盤は存在していたのですが、その頃はルービンシュタインよりも旧メロディアのリヒテル盤の評価が高かったという覚えがあります。その後1980年代前半にポリーニ盤、80年代半ばにアシュケナージ盤が出て、それらがリヒテルに代わり名盤という評価を勝ち得たのではないかと思います。
管理人自身は1990年頃に録音されたブレンデル盤を聴いて(本ブログでもブレンデル盤をエントリーしたことがあります)、彼とシューマンの意外な相性の良さを感じたのが印象に残っているのですが…。
しかし、その後30年間、本曲の大名演が出たという話を聞きません。
本曲は(おそらく本曲に限らずシューマンのピアノ曲全体が)録音に恵まれていないのかもしれない、と思います。優秀なピアニストが数多くいるはずの現役の中から、シューマンらしい濃厚なロマンティシズム、ほとばしる感情を表面に打ち出すとともに、上品さをも失わない演奏を聴かせてくれる人が現れないか、と思ったりします。

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この記事へのコメント

2020年10月08日 05:25
アルトゥールさま
おはようございます そして お久しぶりです

ルービンシュタインのシューマン 室内楽はよく聴いているものですが、独奏曲はほとんど聴いたことがありませんでした…
それで ルービンシュタインBOXから なんとか探し出しました、爆

最終曲だけは聞き覚えが合ったのですが…
ピアノ曲でも何でも 好きな演奏家のレパートリーで 聴く曲が変わってくるような気もします
他のピアニストのBOXで この曲を探すと ロシアのマリア・グリンベルクのBOXに録音がありました
これも なかなかのものですよ

ルービンシュタインの不思議さは 華やかでありながら 暖かい音楽になるところでしょうか… 
録音だけの問題ではなく、彼のテクニークでもあったのかもしれませんね

何十年も聴いてきて まだまだ あまり聴いていない作品も……
ミ(`w´彡) 
2020年10月09日 23:32
rudolf2006様
コメントを頂き有難うございます。
シューマンは私は、ピアノ曲と歌曲をよく聴きますが、交響曲と室内楽はあまり聴かないです。rudolf2006様と逆ですね。ピアノ四重奏曲など好きな曲はあるのですが…。
マリア・グリンベルクは自分にとって未知のピアニストです。マリア・ユージナもグリンベルクも、rudolf2006様のブログで教えて頂いたというのが実際のところです。
これらの未知の演奏家を開拓したい気持ちはあるのですが、CDを買うとなると金がない上(コロナ被害を受けているのです)、CDの置き場所がないという問題もあります。今流行りのSpotifyのようなストリーミングを始める気も起きず、どうしようかと思っているところです。