リヒテルのラフマニノフ「前奏曲集」

今日の東京は寒い1日です。昨日までは年末にしては温暖な日が続いていたのですが、今日以降は寒くなるようです。

今日は、スヴャトスラフ・リヒテル(p)の演奏するラフマニノフの「前奏曲集」を聴きました。1971年9月の旧メロディアへの録音です。

ラフマニノフはショパンと同様、24の長短各調性の全てを使った前奏曲を作曲しています。もっともショパンの24曲の前奏曲が一まとまりの作品として一括して作曲されたのに対し、ラフマニノフの24の前奏曲は3回に分けて作曲されています。
すなわち、1893年、ラフマニノフ(1873〜1943)20歳の年に嬰ハ短調の前奏曲(作品3)が出版され、続いて1904年、10曲の前奏曲が作品23として出、更に1911年、残りの13曲が作品32として出版されています。
ショパンの24の前奏曲とラフマニノフのそれを聴き比べてみると、両者の大きな作風の違いが分かります。ショパンの前奏曲が平明で親しみやすい作風であるのに対し、ラフマニノフの前奏曲はピアノの演奏技巧を正面に押し出した作品です。ラフマニノフらしい濃厚なロマンティシズムは感じられるものの、ショパンの前奏曲のような親しみやすさはもう一つなのではないでしょうか。

さてリヒテルの演奏ですが、作品23の10曲の前奏曲の中から6曲、作品32の13曲の中から7曲を選んで録音しています。
全24曲を録音していない理由は分かりませんが、彼は体系的な録音を好まず自分の好きな曲のみを録音するというタイプのピアニストだったと思います。すなわち彼はJ・S・バッハの平均律クラヴィーア曲集は全曲録音していますがこれは例外であり、それ以外はベートーヴェンでもシューベルトでもラフマニノフでも、体系的な録音を残すということをしていません。
本録音は気合の入った演奏のように思いますが、デリカシーが不足気味のようにも感じます。録音年の1971年というと、リヒテルの代表的録音として有名なバッハの平均律クラヴィーア曲集やシューベルトのピアノ・ソナタ第21番と同時期の録音ですが(レーベルもこれらと同じメロディアです)、本録音はあまり出来の良くない方のように思います。リヒテルの深々としたピアニズム、深々とした呼吸感を収容するためには、前奏曲という形式が小さすぎたのかもしれません。

さて2020年は今日を含めてあと4日です。
今年はコロナに始まりコロナに終わった感があります。
来年以降については、今政府が治験中のワクチンが普及すれば2019年以前の生活スタイルが戻るという意見があれば、今年普及したテレワーク・オンライン会議のような生活スタイルは元に戻らずデジタル社会がさらに進展するという意見もあります。来年以降がどうなるかについては、誰も確かなことを言えないというのが実際だろうと思います。
管理人個人は、テレワーク・オンライン会議により身体が楽になった反面、家族との付き合い方に難しい面が出てきたと感じています。また同窓会等の宴会や、友人と夕食を共にするような機会が激減し、寂しい思いをしました。
趣味面では、今年は旅行はゼロ、コンサートも2月にサントリーホールでムター/オーキスを聴きに行った時の1回だけに止まり、ここでも寂しい思いをしました。苦境にあるオーケストラ等を応援するためコンサートに行きたい気持ちはありますが、基礎疾患を有しているため無理をしたくないのが本音です。

来年が本ブログの読者の皆様にとって良き年となりますことを祈念して、本年の本ブログへのエントリーを閉じたいと思います。

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この記事へのコメント

2020年12月28日 23:22
アルトゥール様、この素敵なブログは私をどれだけ元気付けてくれたことでしょう。
ご訪問させていただく度に、アルトゥール様の温かい音楽への想いが伝わってきます。
本当にありがとうございます。
来年が良き年となりますように、心より感謝を込めて。
2020年12月29日 11:10
よしな様
コメントを頂き、有り難うございます。
よしな様のブログを拝見していると自分の知らない曲が多く、博識だなあと感心致します。中でも自分は古楽に疎いので、今後古楽の分野を開拓する際にぜひ参考にさせて頂きたいです。
今後とも宜しくお願い申し上げます。