メジューエワのメトネル「ピアノ作品集2」

最近、ベートーヴェン・ブラームスとドイツの大作曲家ばかり聴いていたので、今日は思い切り変ったものを、と思い、イリーナ・メジェーエワの演奏するメトネル「ピアノ作品集2」を聴いてみた。《8つの心象風景》作品1より4曲、ピアノ・ソナタ作品11の1などが収録されている。録音は1999年10月で、日本コロンビアのクレスト1000シリーズの1枚である。

メトネル(1880-1951)はロシアの作曲家で、その叙情的な作品とほとんどがピアノ作品であることから「ロシアのショパン」と言われることもあるらしい。だがぼくの見たところ、その作風は、先輩のチャイコフスキーやほぼ同年のラフマニノフと同様、「ロシア的叙情性」ともいうべき濃厚なロマンティシズムに彩られたものだと思う。メトネルの作品は、チャイコフスキーのピアノ小品ほど聴く者のイマジネーションをかきたてる側面はないし、ラフマニノフほどピアノにヴィルトゥルジー性を発揮させるものではない。その反面、彼らと比べると、聴いていて心が暖まるような面があると思う。ロシアの寒い夜に暖炉で暖まりながら聞くのにふさわしい音楽、というようなイメージがあるのだ。この、これまであまり聴く機会のなかった作曲家の傑作が、クレスト1000シリーズに入ったおかげでわずか1,000円で聴くことができるようになったのは本当にありがたい。

メジェーエワの演奏は、メトネルの紹介者だという気負った面はなく、作品をしっかり見つめようとする真摯さの感じられるもの。女性ゆえ生年はライナーノートから明らかでないが、コンクール受賞歴から見てまだ若いピアニストだと思う(しかも美人だ)。最近日本に本拠を移し、ショパンの録音も始めた、と聞く。今後が注目されるピアニストの一人だ。

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