カサドシュのモーツァルト「ピアノ協奏曲第18・22番」

先日モーツァルトの弦楽四重奏曲を聴いて、やっぱりモーツァルトはいいなあ、と改めて思ったので、ピアノ協奏曲第18番と同第22番、それにピアノ・ソナタ第12番K332が収められた1枚を聴いてみた。演奏は、ロベール・カサドシュ(ピアノ)とジョージ・セル指揮コロンビア交響楽団。録音は、協奏曲18番が1956年11月、22番が1959年11月、ソナタが1964年10月である。2001年にフランスのソニー・クラシカルからカサドシュのシリーズが発売された時の1枚だが、ソナタはこれが初CD化とのことである。

さて演奏だが、協奏曲第18番は、20番以降の後期のピアノ協奏曲ほど人気はないようだ。しかし、明るくたいへん勢いのある第1楽章、一転して悲劇的な色彩の第2楽章、さらに一転して軽快でコケティッシュな第3楽章、とそれぞれに魅力的だ。逆に、曲の作りが明―暗―明と単純であるとか、あるいは各楽章の出来も単純なのかもしれない。しかしぼくは、モーツァルトの魅力はその単純明快性にもあると思う。
協奏曲第22番も、20~27番の後期のピアノ協奏曲の中では地味な存在かもしれない。しかし、交響曲的な広がりを持った第1楽章、変奏曲形式で中間部分のホルンを中心とした木管楽器のかけ合いが魅力的な第2楽章、明るく軽快な第3楽章、とそれぞれよくできている。
最後のソナタ12番は、いかにも素朴でのどかで愛らしい1曲だ。モールァルトは、こういうピアノ・ソナタのような最も単純な曲でさえ、聴くたびに何か新鮮な印象を持つのは、ぼくだけだろうか?

演奏は、セルの指揮なので当然だが、きちっとした引き締めた端正なもの。カサドシュのピアノもペダルを抑えて端正な演奏だ。モーツァルト演奏の理想像だと思う。なおオケのコロンビア交響楽団は、実体はクリーヴランド管のようだ(ブルーノ・ワルターの指揮したコロンビア響とはちがう)。

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