スクロヴァチェフスキーのブルックナー「交響曲第6番」

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今日はスタニスラフ・スクロヴァチェフスキー指揮ザールブリュッケン放送交響楽団の演奏するブルックナーの交響曲第6番を聴いてみました。録音は1997年3月です。自分の持っている何種類かの第6交響曲のCDからスクロヴァチェフスキーを選んだのは、今月4月17日にスクロヴァチェフスキー指揮読売日本交響楽団の演奏会を聴きに行く予定だからです。あらかじめスクロヴァチェフスキーについての予習をも兼ねようと思ったのです。

ところでブルックナーの第6交響曲にあまり人気がないのは不当ではないでしょうか。第6を録音しているのはブルックナーの交響曲全集を完成した指揮者ばかりで、それも全集完成のための一環として第6を録音しているように思えてなりません。またベーム、ジュリーニ、マタチッチといった指揮者はブルックナーを得意としてにもかかわらず、ぼくの知る限り第6を録音していません。生の演奏会の取り上げられる回数も、前後の第5や第7と比べて著しく少ないように思います。けれどもぼくはこの第6を、第5や第7に劣らない名曲だと思うのです。

まず第1楽章は、低弦の物々しい開始に始まりいかにもブルックナーらしい楽章で、ブルックナー・ワールドを堪能することができます。第2楽章はアダージョですが、第7交響曲のアダージョに劣らないくらいすばらしく美しいのです。第3楽章スケルツォも推進力に富んで良い出来に思われます。唯一出来が悪いのが第4楽章でしょう。思う存分ブルックナー節に酔っていたいと思っている最中になぜか終わるのです。時間的に短いだけでなく、尻切れトンボというか、終わり方が唐突なのです。この点がこの第6交響曲の唯一の欠点でしょう。逆にいうと、第4楽章の最後部分以外は不満を見出せないほど、この第6がすばらしい曲のように、ぼくには思われるのです。シャルクとかレーヴェといった、ブルックナーに他の交響曲の改稿を助言した人々は、なぜこの第6の改稿を助言しなかったのでしょうか? ぼくは、ブルックナーがもし第4楽章を改稿すれば前後の第5・第7に引けを取らない交響曲が完成していたように思うのです。
また旧作の改作をためらわなかったブルックナーのことです。ひょっとしたら亡くなる前まで第6の改作のことが頭の片隅に残っていたかもしれません。もしそうだとすればこの第6は未完成曲だということになるのではないか…そこまで行けばもう妄想ですが。

スクロヴァチェフスキーの演奏は、妥当なテンポで、漫然とした点はなく「聴かせてくれる」演奏だと思います。おかげでブルックナー・ワールドを思う存分堪能することができました。4月17日のコンサート(メインはブルックナーの第4です)がたいへん楽しみになってきました。

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