クレーメル&アファナシェフ シューベルト「ヴァイオリン作品集」

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4月15日「勝手にヴァイオリンの日」(協奏曲でも独奏曲、ソナタでも可)」について
今日4月15日は、garjyuさん、miwaplanさん、ダンベルドアさんのお三方による「勝手にヴァイオリンの日」です。ぼくはちょうど昨日パールマンのベートーヴェン「スプリング・ソナタ」を聴いたばかりだったので、1980年代からパールマンと並び称されてきたギドン・クレーメルの録音を聴いてみようと思い立ちました。クレーメルはバッハから現代音楽まで広いレパートリーを有していますが、バッハやベートーヴェンの有名曲では面白くないし、今日のような春の陽気にふさわしい曲をと考えて思いついたのが、奇才ヴァレリー・アファナシエフと共演したシューベルトのヴァイオリン作品集です(国内盤でPOCG1497ですが、既に廃盤です)。ヴァイオリン・ソナタD574、ヴァイオリンのためのロンドD895、それにヴァイオリン幻想曲D934の3曲が収録されています。1990年1月の録音です。

これら3曲はともにシューベルトの歌謡性、旋律美を堪能することのできる美しい作品です。最初のD574はたいそうメロディが美しく、とりわけ第3楽章アンダンティーノは絶美といえるほどです。
次のD895は約14分ほどの曲ですが、ぼくはこの録音で初めてこの曲を知り、あまりの美しさに陶然となった思い出があります。ピアノの分散和音に乗ってヴァイオリンが美しい旋律美を奏でるところから始まりますが、途中に起伏があり、繊細で心優しいだけでなく激しく力強い部分もある振幅の大きい曲です。
最後のD934は、3曲の中で最も知られている曲でしょう。ピアノのトレモロに乗ってヴァイオリンが旋律を奏でる導入部分は、霧深い草原を思わせるようで、その名の通り幻想的です。以降ヴァイオリンが終始美しく心優しい旋律を奏でます。ぼくはこの曲も、D895とともにたいへん好きでいます。
3曲とも、ヴァイオリンの旋律楽器のとしての魅力を存分に開花させたシューベルトならではの魅力に満ちた名品だと思います。

演奏はアファナシェフのテンポの遅い(特にD934)伴奏に乗って、クレーメルが心ゆくまで美しい旋律を奏でるといった風情です。クレーメルというと変わったことをやる鬼才のイメージが強いように思いますが、彼にはこういう一面もあるのだということを認識させられます。彼は録音当時の1990年代前半、シューベルトをDGに何枚か録音しています。本CDに収録されている演奏は3曲とも、現在DGから出ているクレーメルのシューベルトのボックス(ただし輸入盤です)に収録されており、比較的容易に入手することができると思います。

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