マイスキーの「雨の歌/ブラームス名曲集」

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最近、雨が降り続いている。今年は当初は空梅雨が心配されたけれど、どうやら梅雨らしい梅雨になったといえそうだ。この分だと夏に水不足に陥る心配ないだろう。

ところで「雨の歌」というとブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番である。ただし今回はミッシャ・マイスキーの演奏するチェロ編曲版を聴いてみた。ブラームス自身による編曲である。ヴァオリン・ソナタ第1番をチェロにための編曲したものの他、「残響」「あなたの所へはもはや行くまいと」「4つの厳粛な歌」など計11曲のブラームス歌曲のチェロのための編曲も収録されている。これら歌曲のチェロのための編曲はマイスキー自身の手になるものである。
このCDのピアノはパーヴェル・ギリロフ、1996年1月の録音である。

さてヴァイオリン・ソナタ第1番のチェロ編曲版を聴いてみて感じるのは、当然のことかもしれないが、元々のヴァイオリン・ソナタ第1番とはまるで別の曲のように聞こえるということだ。ヴァイオリン・ソナタ第1番は優雅さと情熱と、そしてブラームスらしい憂愁の感じられる名曲だけれsど、ここに聴くチェロ編曲版は、この憂愁が前面に押し出され、ほの暗い情熱と内省的な深さが感じられる。今日のような雨の一日に、しんみりと聴くのにふさわしい曲になっている。

マイスキーは、やや遅めのテンポで、思い切りロマンティックに演奏している。歌心に満ち満ちた演奏だと思う。彼の心優しい調べに耳を傾けていると心が癒されていくのを感じる。11曲の歌曲のチェロのための編曲版も全く同様だ。なおこれらの中には、「サフォー頌歌」「メロディのように」とぼくの歌曲が含まれている。今日のような雨の日に、1人で、できれば冷酒でも傾けながら聴くのにふさわしいし、あるいは親密な異性との語らいの際のBGMにもちょうど良いと思う。

なおぼくは幸い、国内盤(CD番号=POCG10045)の初回限定プレスを購入したので、マイスキーの家族の写真がライナーノートに添えられている。ここに写真の載っているマイスキーのかわいらしい愛娘は、その後成長してピアニストになり、この秋来日して父・マイスキーと共演するらしい。ぼくは残念ながら聴きに行くことはできないが、時の経過の早さを感じずにはいられない。

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