アーノンクールのモーツァルト「フルートとハープのための協奏曲」

今日は午前中は雨で陰鬱な気候だったが、午後になって晴れ気温が上昇した。ただし気温が上昇したといってもそれほど高かったわけではなく、夏から秋に季節が移り変わっていくのが感じられた。いや、すでに秋に一歩足を踏み入れたというのが正確なところだろう。
また午後に入ってすぐ安倍晋三首相がとつぜん辞任を表明するという大きなニュースがあった。

ところで今日はモーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲K299」を聴いてみた。演奏はローベルト・ヴォルフ(フルート・トラヴェルソ)、吉野直子(ハープ)、ニコラウス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントス・ムジクス(CMW)である。吉野直子さんも古楽器のハープを使用している。録音は1999年12月である。

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ぼくはこの曲のCDは、このアーノンクール盤の他に、ランパル(fl)、ラスキーヌ(hp)、パイヤール指揮パイヤール室内管の録音と、シュルツ(fl)、サバレタ(hp)、ベーム指揮ウィーンPOの録音を持っている。
今回この演奏を聴いてみて、これまで上記のような現代楽器の演奏で聴いてきたのとは別の曲ではないかと思うくらい、受ける印象が異なった。この曲はもともとこういう曲だったのか、という驚きだ。
ぼくはアーノンクール盤を聴くまで、この曲についてロココ風というのだろうか、優雅で華やかな曲だと思っていた。だがアーノンクール盤で聴いてみると、古風でひなびた曲だとさえ感じられる。特に第2楽章で清冽なハープの調べに乗ってトラヴェルソが美しくのどかな旋律を奏でる個所や、第3楽章でフルートとハープのからまり合いなど、古風で典雅な雰囲気が感じられる。これまで第3楽章など華やか印象を持っていたのに、古楽器で聴くとまるで印象が違う。
そして、これまで聴いてきた現代楽器のパイヤール盤等とどちらがと問われると、こればかりは趣味の問題だが、ぼくは今ではこの古楽器のアーノンクール盤の肩を持ちたい気持ちだ。

ところで当録音で聴くアーノンクールは意外におとなしい。ぼくはモーツァルトの交響曲は最近はアーノンクールがロイヤル・コンセルトヘボウ管を振って1980年代に録音したCDで聴くことが多いが、この80年代の演奏に見られるアグレッシブさ・斬新さはかなり薄れている。アーノンクールも年を取ってだんだん円満な演奏をするようになってきたのかもしれない。これは彼が若い時に過激な性格だったという意味ではなく、元々円満な性格の持ち主だったけれど心の内の情熱を前面に出た演奏をする人だったのが、演奏自体もだんだん円満になってきたのではないかという意味だけれど…。
トラヴェルソのヴォルフはCMWの奏者だが、落ち着いた上品な良い演奏だと思う。吉野さんもアーノンクールの要求によく応えた演奏をしているのではないだろうか。

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