ランパルのモーツァルト「フルート四重奏曲全集」

9月も下旬に入ったというのに暑い日々が続いている。近年は毎年のように酷暑に見舞れるが、暑い日がこんなにも続く年は珍しいのではないだろうか。
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そこで今日は暑さを吹っ飛ばすような爽快な曲をと思い、モーツァルトのフルート四重奏曲ニ長調K285、同ト長調K285a、同ハ長調K285b、同イ長調K298を聴いてみた。演奏はランパル(fl)、スターン(vn)、アッカルド(va)、ロストロポーヴィチ(vc)というこれ以上考えられない豪華メンバーで、1986年3月の録音である。なおランパルはこれら4曲を、スターン(vn)、シュナイダー(va)、ローズ(vc)とも録音しており、今日聴いたのは再録音ということになる。旧録音の方はLP時代にモーツァルト「フルート四重奏曲」の決定盤のように言われていた。

さてこれら4曲のうちト長調とハ長調は2楽章編成という変則的な形態を取っている。残りのニ長調とイ長調は3楽章だけれど、イ長調は第1楽章がアンダンテで変奏曲形式と変わっている。したがってまともに急―緩―急という古典的な形式を維持しているのは最初のニ長調だけだということになる。
さてニ長調はおなじみの爽快なメロディで始まる有名な曲である。こういう曲は、各奏者がアンサンブルを楽しんでいるのを、こちらも楽しみながら聴きたい。他の3曲もなかなか聴かせる曲だと思う。とりわけハ長調の第2楽章は変奏曲形式で、ぼくの大好きな「13管楽器のためのセレナードK361」の原曲になっている。またイ長調の第1楽章でフルートの奏でる穏やかでどこか物寂しげな旋律も心に残る。どの曲もフルートの上品で優雅な音色を十分に発揮することのできるモーツァルトならではの名曲だと思う。

ランパルたちの演奏は意外におとなしい。ランパルだけでなくスターンも、ロストロポーヴィチさえもおとなしい方だ。テンポも決して早くない。LP時代に有名だったランパルの旧録音は(CD時代に入ってから買い換えなかったせいで長く聴いておらず自信はないのだけれど)もっと華やかな演奏だったように記憶しているのだが…。
モーツァルトのフルート四重奏曲は、現代では古楽器による演奏が主流なのだろう。ただぼくの世代ではフルートのランパルは特別な存在だった。たまにはこういう旧世代の大演奏家たちのアンサンブルを楽しむのもいいものだと思う。

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