スウィトナーのブラームス「交響曲第4番」

今日は雨の陰鬱な気候だった。気温も下がり、秋が深まってきたことを実感できる1日だった。ブラームスの「交響曲第4番ホ短調 作品98」を聴いてみた。演奏はオトマール・スウィトナー指揮シュターツカペレ・ベルリンで、1986年の録音である。この曲に満ち溢れている憂愁の美は、今日のような晩秋に聴くのにふさわしいと思う。

第1楽章は寄せては返す波のような、有名な憂愁の旋律で始まる。この楽章でブラームスが表現しようとしたものは何だろうか。彼自身の内心かもしれないし、人生そのものを表してているのかもしれない。あるいはもっと大きな自然のようなものかもしれない。第2楽章はブラームスらしい平穏な田園風景を思わせるが、第1楽章の憂愁の影を引きずっているように感じられる。第3楽章は力強い、典型的なスケルツォ。第4楽章はパッサカリア形式で書かれている有名な楽章だ。その迫力と多彩な表現には驚かされる。

この曲を聴くのは久しぶり、たぶん1年ぶりくらいだと思うけれど、聴いてみてやはり傑作、すばらしい作品だと思った。ぼくはブラームスの4曲の交響曲の中では第2番が一番好きなのだけれど、その次はこの第4番だ。もっとも第4番が一番好きという人も多いだろうと思う。

スウィトナーの演奏は彼らしく流麗で、歌にあふれた演奏だ。フレーズの歌わせ方などに彼の特長が現れている。シュターツカペレ・ベルリンは、録音当時が全盛期だったのではないかと思われるほど、質実で柔軟、それに精緻なアンサンブルを聴かせてくれる。特に弦楽部にこのオーケストラの穏やかな良さが現れていると思う。ぼく自身はこの曲の演奏にはもう少し厳しさがあった方がよいようにも思う(もちろんこれはぼくの趣味にすぎない)が、スウィトナーとシュターツカペレ・ベルリンという名コンビの名演の一つであることは間違いない。

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