R・ゼルキンのベートーヴェン「悲愴ソナタ」

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今日は一日中曇り空で、真冬のように寒い一日でした。息子の通っている小学校で毎年慣例の持久走大会がありました。息子は小6で一番上の学年なので、2,000メートルと長い距離を走りました。持久走をやるには良い天気だったのではないでしょうか。

今日は最近あまり聴いていなかったベートーヴェンを聴いてみました。ピアノ・ソナタ第8番ハ短調「悲愴」です。演奏はルドルフ・ゼルキン、1962年12月の録音です。

この曲は古来「月光」「熱情」とともにベートーヴェンの3大ソナタの1つとして有名な曲ですが、ぼくは10代、20代の頃は「月光」「熱情」ほど好きではありませんでした。しかし年を取るにつれて、好きになってきました。(少し話がそれますが)中年と呼ばれる年齢になってから、「悲愴ソナタ」に限らずベートーヴェンの初期の作品に魅力を感じるようになりました。

「悲愴ソナタ」は急―緩―急の典型的な3楽章構成を取っています。しかも各楽章間の振幅はたいへん激しいものです。すなわち急速楽章はたいへん急速で、緩徐楽章はたいへん緩やかです。第1楽章はハ短調という「運命交響曲」と同じ最も深刻な調性を有しています。青年らしい苦悩と情熱が直截に感じられる楽章です。ぼくは年を取るにつれてこの第1楽章が特に好きになってきました。
第2楽章は有名ですが、ベートーヴェンの、それも初期らしい憧れ、やさしさにあふれた感情豊かな楽章です。
第3楽章は一転して、激しい感情が疾風のように駆け抜けます。

ルドルフ・ゼルキンの演奏は見事なものです。第1楽章はやや物々しく開始されますが、すぐに展開部で極力ペダルを排したクリアな音で流麗に演奏されます。第2楽章はゆったりとテンポを取って非常に情感のこもった演奏です。第3楽章は一転、早いテンポと見事なテクニックで奏されます。録音から45年が経過した今でも、「悲愴ソナタ」の最高の演奏だといえるのではないでしょうか。
ゼルキンの(旧)CBS時代の録音は、ベートーヴェンに限らず、ブラームスやモーツァルトの協奏曲などどれも素晴らしかったと思います。ソニー・クラシカルが復刻に熱心でないのを遺憾に思う次第です。

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