アスペレンのJ.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集第1巻」

今日は3連休の初日ですが、晴天に恵まれました。
今日はバッハの「平均律クラヴィーア曲集」の第1巻を聴きました。演奏はボブ・ファン・アスペレン(チェンバロ)で、1987年から89年にかけての録音です。Virgin Classicsから出ているものです。

この平均律クラヴィーア曲集、第1巻も第2巻も聴くたびに感じるのですが、なんとまあ豊饒な音楽なのでしょうか。ここで描かれているのは、大宇宙そのものかもしれませんし、果てしのない大海原かもしれませんし、うっそうと繁った大森林かもしれませんし、神の声かもしれませんし、人間的感情かもしれません。人間的感情といっても、敬虔な宗教的感情から、日常の喜び、優しさ、悲しみ、苦しみなどすべての感情が描かれているようです。
要するに、この平均律クラヴィーア曲集に描かれていないものは、一切存在しないのです。ここには本当にすべてが描かれているのです。
まさに大バッハの最高傑作ではないでしょうか。

往年の大ピアニスト、エドウィン・フィッシャーの「ピアニストにとって、バッハの平均律が旧約聖書で、ベートーヴェンのピアノ・ソナタが新約聖書である」という言は有名です。もちろんその通りで名言だと思いますが、バッハの平均律はベートーヴェンのピアノ・ソナタに比べると、聴かれたり実際に演奏されたりする機会が少ないのではないでしょうか。
ぼく自身もごく最近まで、バッハの「平均律」を含む鍵盤楽器のための作品よりもベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴くことの方がずっと多かったので、偉そうなことは言えないのですが、本当にごく最近、バッハの「平均律」やゴルトベルク変奏曲にベートーヴェンにまさる魅力を感じるようになったのです。そして、同時に、年を取るのは悪くないことだと思うようにさえなったのです。

アスペレンの演奏は、まず1728年製のクリスチャン・ツェルがすばらしく美しい音色を奏でています。クリアでどこまでも澄んでいて、どこまでも深いのです。アスペレンの演奏も1曲ごとの緩急の付け方、描き分けがすばらしいと思います。チェンバロによる「平均律」の演奏というと、ヴァルヒャ、レオンハルト、コープマン等が有名ですが、Noraさんはアスペレンの演奏を、スコット・ロス、鈴木雅明とともに最高とされています。
アスペレンは、愛好家の間で評価は非常に高いのではないでしょうか。
私自身はこれまでコープマンの演奏が好きだったのですが、アスペレンのこの美しい音を聴くと、こちらの方が好いかなという感がします。

ともかくアスペレンの演奏で聴くバッハの平均律クラヴィーア曲集はすばらしいものです。お蔭様でCD2枚分聞いている間至福の時を過ごすことができました。こんな演奏を聴かされると、1日中でも聴いていたいという気持ちになるのです。

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