ウィーン・フィル五重奏団のメンデルスゾーン「弦楽五重奏曲第2番」

画像今年の6月、スイスのカルミナ弦楽四重奏団が来日します。ぼくは同四重奏団の実演は98年に一度聴いたことがありますが、2000年代に入ってから一度も接したことがなかったので、6月12日(金)の演奏会のチケットを取りました。

当日のプログラムは次のようになっています。
 メンデルスゾーン「弦楽五重奏曲第2番」(共演:川本嘉子(va))
 ブラームス「ピアノ五重奏曲」(共演:田部京子(p))

ブラームスのピアノ五重奏曲は、ブラームスの青年時代の室内楽の名曲として有名なもので、ぼくも5種類くらい録音を持っていますが、メンデルスゾーンの弦楽五重奏曲の方は一度も聴いたことがない曲です。
そこで最近ユニバーサル・グループがメンデルソゾーンの生誕200周年を記念して再発売したシリーズに含まれている、DECCAのウィーン・フィルハーモニー五重奏団のメンデルスゾーンの弦楽五重奏曲第2番を購入し、聴いてみることにしたのです。

同曲は、急・急・緩・急の4楽章構成を取ります。
第1楽章は、天空を行くようにスケールの大きい楽想で始まります。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」の冒頭を思わせます。また楽章を通じて、弦楽四重奏にヴィオラが一挺加わることにより、より重厚に、ダイナミックになったことがよくわかります。
第2楽章は事実上のスケルツォで、優雅さが感じられます。
第3楽章は、一転して悲劇的です。メンデルスゾーンというと、形式古典的、内容ロマン的という作曲家ですが、この楽章はまさにそうです。古典的な形式性を維持しながらも、ロマン的な複雑な感情がこめられています。メンデルスゾーンの個性がよく現れた楽章だと思います。
第4楽章は、3楽章に続き複雑な感情を抱きながらも、重厚に前進していきます。

聴き終えて相当な名作だと感じました。
付け加えますと、カップリングされている弦楽五重奏曲第1番の方もかなりの佳曲です。

ぼくは2年ほど前、ブログ仲間の方に薦められて、Arte Novaのヘンツェル弦楽四重奏団のメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲全集を購入しました。この全集を聴いて、メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲に対する認識が一変しました。そして今度はこの弦楽五重奏曲です。

ぼくは、少なくともブラームスとドヴォルザークに関しては、交響曲よりも室内楽の方が上だと考えていますが、メンデルスゾーンもそうなのかもしれません。
メンデルスゾーンの室内楽には、この弦楽五重奏曲第2番のように名曲がたくさん隠れて存在しているのかもしれないのです。

ウィーン・フィル五重奏団の演奏は、同曲についてはじめて聴く演奏ですが、十分満足のいく演奏だと思います。

なお写真は、昨日四谷で撮ったものです。散り落ちた桜の花もまた美しいのではないでしょうか。

"ウィーン・フィル五重奏団のメンデルスゾーン「弦楽五重奏曲第2番」" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント