オークレールのメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」

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今日の東京は午前中が曇りで、午後から雨が降るという梅雨らしい1日でした。
この1週間、村上春樹『1Q84』に夢中になり音楽自体をあまり聴いていなかったのですが、同書を読み終わったので、今日はメンデルソゾーンの「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」を聴いてみました。演奏は、ミシェル・オークレール(vn)とロベルト・ワーグナー指揮インスブルック交響楽団です。1963年2月の録音です。

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は3大ヴァイオリン協奏曲(ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームス)の中の1つで、曲の趣からいって、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲が王様だとすれば、女王にたとえられるべき存在です。そしてぼく自身は、王様・ベートーヴェンよりも、女王・メンデルスゾーンの方が好みなのです。

ところでメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲というと、曲想からいって女流ヴァイオリニストが演奏するのがふさわしいというイメージがあるのではないのでしょうか。ところがぼくは、同曲の演奏は8種類持っているのですが、その中で女流は今日聴いたオークレールだけなのです。LP時代にムター/カラヤンを持っていたのですが…。しかし唯一の女流、オークレール盤はたいへん気に入っているのです。

オークレールは、女性といってもロマンティックだったり情熱的な演奏をするわけではありません。終始ゆっくり目で、端正で清楚な演奏です。女性らしく心細やかな、隅々まで神経の行き届いた、繊細で丹念な演奏をします。第3楽章さえあまりダイナミックでない、落ち着いた印象を受けます。
この曲に情熱とかダイナミズムを求める向きには不満が残るかもしれませんが、ぼく個人としては好きな演奏です。
ぼくはこの曲の演奏を8種類持っていると上に書きました。その中では、スターン/オーマンディとミルシテイン/アバドが双璧だと思っていますが、このオークレール盤は個性的な珍重したい1枚であるのです。

なおバックのワーグナー指揮インスブルック響は、腰の軽い表現をするなど見るべき(聴くべき)ところはありません。あくまでオークレールの端正な演奏を楽しむ1枚だと思います。


追記 本曲については、過去にミルシテイン/アバド盤の記事を書いたことがありました。本ブログの慣例どおり、その時の記事を自己TBします。

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