プリンツのモーツァルト「クラリネット五重奏曲」

今日の東京は、概ね曇り空の暑い日です。ただし今年の夏は、それほどの猛暑ではないように思うのですが、どうでしょうか。

今日聴いたのは、モーツァルトの「クラリネット五重奏曲K581」です。
演奏は、アルフレート・プリンツ(cl)とウィーン室内合奏団です。1979年9月23~25日のDENONへの録音です。ウィーン室内合奏団のメンバーは次の通りです。
ゲルハルト・ヘッツェル、クラウス・メッツル(vn)、ルドルフ・シュトレング(va)、アーダルベルト・スコチッチ(vc)。

さてモーツァルトのクラリネット五重奏曲はまさに天上の音楽、至上の音楽です。平穏で、優雅で、明るく、純粋です。 まさに音楽美です。第1楽章冒頭を聴いただけで、何という良い音楽なのだろう、という気持ちになります。
モーツァルトという音楽史上の奇跡、いや人類史上の奇跡にして初めて書くことのできた音楽です。またモーツァルト自身が、その生涯にこれ以上の音楽を書くことができたか疑問です。

単に穏やかで明るいだけではありません。その底流には深い悲哀が漂っています。それは緩徐楽章である第2楽章で顕著ですが、両端楽章でも、じっと聴いていると悲哀の感情を聴き取ることができます。

今日のような夏に聴くのにふさわしい曲ではないでしょうか。

プリンツとウィーン室内合奏団の演奏は、1950年代に出たレオポルド・ウラッハとウィーン・コンツェルトハウス四重奏団の演奏に次ぐ名演として昔から有名です。
プリンツの演奏は、何の衒いもなく素直にのびのびと弾いているという印象です。ウィーン室内合奏団の演奏も、往年のウィーン・コンツェルトハウス四重奏団の情緒の濃い演奏と異なり、ずいぶん素直な演奏だと感じます。ウラッハ&コンツェルトハウス四重奏団と並ぶ名演だと思います。

このプリンツ&ウィーン室内合奏団の前後から、カール・ライスターやザビーネ・マイヤーがクラリネットを演奏した本曲の録音が出ており、最近は古楽器を用いた演奏も出ているのだと思います。
しかし管理人の見たところ、本曲はあまり妙技を発揮されても困る曲であり、プリンツとウィーン室内合奏団の春風駘蕩とした演奏は、本曲の曲想によく合致しているように思います。


追記 本曲については、ウラッハとウィーン・コンツェルトハウス四重奏団の演奏の記事を書いたことがあるので、その時の記事を自己トラックバックしました。
モ-ツァルト&ブラームス:クラリネット五重奏曲
日本コロムビア
2010-09-22
ウィーン室内合奏団

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