ピアティゴルスキー/ルービンシュタインのブラームス「チェロ・ソナタ第1、2番」

今日勤労感謝の日は、東京は、寒さが感じられるものの晴天で、冬晴れのような1日でした。
今日の1枚は、ブラームスのチェロ・ソナタ第1番ホ短調作品38と第2番へ長調作品99です。演奏はグレゴール・ピアティゴルスキー(vc)とアルトゥール・ルービンシュタイン(p)です。1966年のRCAへの録音です。

ブラームスは生涯で2曲のチェロ・ソナタを作曲しましたが、作品番号で分かるように作曲時期は離れています。第1番が32歳の時の作で、第2番が53歳の時の作です。こう書くと第1番が若々しくて第2番が渋いように見えるかもしれませんが、実際は逆です。1番の方が渋くて、2番はスケールの大きい作品なのです。

第1番は、ブラームスらしい憂愁の寂寥感に満ちた印象的な旋律で始まります。第2楽章は緩徐楽章ですが、ここでも暗いものが感じられます。第3楽章は暗さを帯びながらもダイナミックです。
第2番は、スケールの大きい第1楽章で始まります。ピアノ伴奏に支えられてチェロが朗々と旋律を奏でます。第2楽章は緩徐楽章でブラームスらしい情感が感じられます。第3楽章はスケルツォですが、なかなか魅力的なスケルツォではないでしょうか。第4楽章は活気を帯びるとともに緊張感が感じられます。
ブラームスというと秋のイメージがありますが、深く柔らかなチェロで奏でられる音世界は、とりわけ今日のような晩秋に聴くのにふさわしいと感じられます。

グレゴール・ピアティゴルスキー(1903ー1976)は、ルービンシュタイン、ハイフェッツとともに「百万ドル・トリオ」を結成したことで知られるチェリストです。彼はウクライナに生まれ、戦前はフルトヴェングラー時代のベルリン・フィルの首席チェロ奏者を務めましたが、戦争を避けてアメリカに渡り、その後はアメリカで活躍しました。本録音では、巨匠ルービンシュタインのリードの下、暗めの音色で、かっちりした端正な演奏を聴かせてくれます。また本録音では、ルービンシュタインのピアノがたいへん雄弁です。ピアノ・パートがこれほど雄弁なこれら2曲の演奏は珍しいのではないでしょうか。

やや話がそれますが、ルービンシュタインは特に晩年ブラームスを好み、ヴァイオリンのシェリング、チェロのフルニエや今日聴いたピアティゴルスキー、それにガルネリ弦楽四重奏団と共演して多くのブラームス室内楽作品の録音を残しました。これらの録音はいずれもピアノ・リード型の今日では古く思えるスタイルですが、いかにも巨匠が室内楽を楽しんでいるという趣があって、少なくとも管理人にはいずれも名演と感じられます。
ルービンシュタインというとショパンが有名ですが、ブラームス作品での録音も管理人のようなファンにとっては宝であり続けます。

追記 本曲については、過去にフルニエ/バックハウス盤の記事を書いたことがあるので、その時の記事を自己トラックバックします。

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