スウィトナーのモーツァルト「管楽器のための協奏交響曲K297b」

今日1月14日の「成人の日」です。駅前などでは晴れ着姿の新成人の女性の姿が目に付きました。天気の方は「成人の日」にふさわしい晴天でした。

今日の1曲はモーツァルトの「管楽器のための協奏交響曲変ホ長調K297b」です。
演奏はアルフレード・トルスクドルフ(オーボエ)、カール・シュッテ(クラリネット)、ギュンター・シャフラッシュ(ホルン)、ハルツ・ワブナー(ファゴット)と、オトマール・スウィトナー指揮シュターツカペレ・ドレスデンです。トルスクドルフ以下の管楽器奏者は、シュターツカペレ・ドレスデンの首席奏者です。1961年4月17、18日のドイツ・シャルプラッテンへの録音です。
モーツァルトにはもう1曲協奏交響曲を作曲しており、そちらは独奏楽器がヴァイオリンとヴィオラのK364ですが、今日聴いたのは独奏楽器がオーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットという管楽器4挺のk297bです。

本曲は急・緩・急の3楽章構成を取ります。しかし急と緩の差は大きいものではなく、全曲を通じて温和な楽想が展開されます。4挺の管楽器間の掛け合い、独奏管楽器とオーケストラとの掛け合いは聴いていて楽しいものです。まさにモーツァルト以外の作曲家が創作しえない、上品で優雅で、上質なユーモアさえ感じられる世界です。特に第3楽章の温和でユーモラスな楽想は絶品です。管理人の愛して止まない、有名なセレナードK361を思い起こさせます。

モーツァルトの協奏交響曲というと、本曲よりもヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K364の方がずっと有名です。録音数にかなりの差があります。管理人自身も、インパクトという点では本曲よりもK364かなと思います。しかし本曲k297bの温和な楽想は、K364と別の魅力が感じられます。それはもちろん、独奏楽器がヴァイオリンとヴィオラという弦楽器と、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットという管楽器という差によってもたらされたものが大きいのだと思います。

国内盤ライナーノート(諸石幸生)によると、本曲はモーツァルトの作曲後楽譜が紛失し、1860年代にドイツの音楽学者の遺品から楽譜の写本が発見された作品で、偽作との説もあるということです。しかし管理人には本曲が偽作とは考えられません。まさにモーツァルト以外の誰も作曲し得ない、温和で優雅な作品だからです。

スウィトナー指揮シュターツカペレ・ドレスデンの演奏は、スウィトナーがシュターツカペレ・ドレスデンの音楽監督だった時代の録音です。管理人は最近クルト・マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏をよく聴いています。両者は共に旧東ドイツのオーケストラで、温かで、良い意味で素朴なサウンドという点で共通していますが、ドレスデンの方がゲヴァントハウスよりも柔らかくて流麗なようです。「いぶし銀」と称された全盛期のドレスデン・サウンドを堪能することのできる演奏です。
またスウィトナー指揮ドレスデンとモーツァルトとの相性の良さも感じます。モーツァルトには、スーパー・オーケストラではなく、往年のシュターツカペレ・ドレスデンのような素朴で温かで落ち着いたオーケストラで演奏されるのに適した面があるのではないでしょうか。

また独奏の管楽器奏者が、ソリストではなく、シュターツカペレ・ドレスデンの首席奏者であることも、本演奏の魅力を高めていると思います。各独奏奏者は自己主張することなく、オーケストラと一体となってアンサンブル的な演奏をしています。
余談になりますが、協奏交響曲K364の方では、昔から、ハイフェッツ/プリムローズ/ソロモンやクレーメル/カシュカシアン/アーノンクールのように、独奏ヴァイオリンとヴィオラに名ソリストを起用した演奏が名演とされています。しかし管理人は最近、K364でも独奏奏者にオーケストラの首席奏者を起用した演奏の方が、安心して聴くことができて、好ましく感じられるようになりました。K297bでも同じことを感じます。

モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲、管楽器のための協奏交響曲
キングレコード
2016-11-02
オトマール・スウィトナー指揮 シュターツカペレ・ドレスデン

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