ズスケ四重奏団のモーツァルト「弦楽四重奏曲第14番『春』」

東京は今週に入って気温が上がり、春の到来を感じさせる日が続いています。しかし桜の開花は、東京では、昨年より遅い3月21日と予想されています。今年は2月が寒かったことが影響しているのではないでしょうか。

さて「春」というニックネームの付いたクラシックの楽曲というと、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番、シューマンの交響曲第1番が存在しますが、モーツァルトにも「春」というニックネームの付いた作品が存在します。弦楽四重奏曲第14番ト長調K387です。いわゆる「ハイドン・セット」の最初の作品です。もっともベートーヴェンやシューマンの作品と異なり本曲は、国内盤CDに「春」というニックネームが伏せられていないことも多いようですが…。
今日は春の到来に合わせて、モーツァルトの弦楽四重奏曲第14番を聴いてみました。演奏はズスケ四重奏団です。1971年から72年にかけての録音です。

本曲は急・急・緩・急の4楽章構成です。しかし各楽章間の急緩の差はあまり大きくはなく、全曲を通じていかにもモーツァルトらしい優雅で温和で上品な雰囲気が流れています。ちょうど春の穏やかな日だまりの中にいるようです。「春」というニックネームはモーツァルト自身が付けたものではないようですが、「春」のニックネームにふさわしい曲なのではないでしょうか。
管理人は、年を取ると共にこのような穏やかな曲に魅かれるようになりました。本曲のような温和で上品な楽曲はモーツァルトとハイドンに多いように思います。ハイドンとモーツァルトの弦楽四重奏曲は宝の山というべきです。

ズスケ四重奏団の演奏は、同四重奏団らしく重厚堅固なカチッカチッとしたものです。他ではまず聴くことのできないスタイルです。モーツァルト作品の優雅さとの様式的な齟齬は感じます。管理人はズスケ四重奏団のベートーヴェンはたいへん愛好していますが、同四重奏団はモーツァルトには不向きなのかも、と思います。ただし第4楽章はなかなかの出来です。アンサンブル自体や各奏者の均質性といった点は問題なく、音色はさすがに良いものです。決して凡演ではありません。

今、モーツァルトのカルテットを聴くとしたら、現在でも往年のバリリ四重奏団が一番で、バリリとは異なるタイプのジュリアード四重奏団の1960年代の録音がその次かなという気持ちがします。それ以外ではスメタナ四重奏団が意外に(?)に良いのではないでしょうか。1950年代のバリリ四重奏団、1960年代のジュリアード四重奏団に最も共感できるというのは異常なようですが、モーツァルトの演奏というのは実は非常に難しいことのように思います。
なお管理人は21世紀に入ってからのモーツァルトのカルテットの録音は全く聴いていないので、HMV等でのレビューを手掛かりに探していけば、共感できる録音に巡りあう可能性はあると思っています。

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