バリリSQのモーツァルト「弦楽四重奏曲第4番」

今日は晴天で気温が上がり、長かった梅雨が明けたのでは、と思わせられる一日でした。
今日の1曲は、モーツァルトの弦楽四重奏曲第4番ハ長調K157です。演奏はバリリ弦楽四重奏団の1955年2月の録音です。

モーツァルトの弦楽四重奏曲というと、第14番から19番までの6曲のいわゆる「ハイドン・セット」が有名です。しかし、それ以前の第1番から13番までの13曲には、今ひとつスポットが当たらないのではないでしょうか。実演でもほとんど見かけませんし、録音もジュリアード四重奏団やアルバン・ベルク四重奏団のような超有名カルテットは手がけておらず、アマデウス四重奏団、イタリア四重奏団のようなモーツァルト弦楽四重奏曲全曲録音を果たしたカルテットの演奏しか存在しないように思います。

しかしモーツァルトのことです。13番以前の13曲の弦楽四重奏曲が凡曲のはずはありません。実際これらの曲を聴いてみると、ハイドン・セットのような中身の濃さはないのかもしれませんが、佳曲ぞろいであることが分かります。
今日聴いた第4番K157ですが、ライナーノート(松田聡)によると、モーツァルトが1772年10月父レオポルトと共にオペラ「ルーチョ・ショラ」の作曲・上演のためにミラノへ旅立った際、退屈しのぎに6曲(第2番から7番まで)の弦楽四重奏曲が書かれ、その3曲目のようです。そのため弦楽四重奏曲第2番から7番までの6曲は「ミラノ四重奏曲」と呼ばれることもあるようです。

さて本曲は3楽章構成を取ります(本曲に限らず「ミラノ四重奏曲」の6曲全てが3楽章構成です)。第1楽章は優雅かつ流麗です。管理人は本楽章に魅力を感じます。第2楽章は短調で書かれています。悲哀感に満ちた楽章で、作曲当時16歳(1756年生まれ)のモーツァルトがこのような感情を持ち得たことは驚異です。第3楽章は2分足らずのロンドです。弾むようで、コケティッシュさとユーモアの感じられる楽章です。
本曲はバリリSQの演奏で約13分という短い曲ですが、なかなかの佳曲だと感じます。本曲に限らずモーツァルトの13番以前のモーツァルトの弦楽四重奏曲は、「ハイドン・セット」と比べると充実度が劣るのかもしれませんが、かえって気軽に楽しめる佳曲ぞろいのように思います。

バリリSQの演奏はもう60年以上も前のものですが、優雅かつ端正で、本曲の理想的な演奏と言えるものです。
管理人はモーツァルトの弦楽四重奏曲は、バリリSQ以上の演奏に未だに出会ったことがありません。
バリリSQは、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲においては、中期弦楽四重奏曲でダイナミズム、後期弦楽四重奏曲で深々としたものが足りないように思いますが(しかしバリリSQのベートーヴェンは、それはそれで立派な演奏だと思います)、モーツァルトへの適性は抜群のように思います。昔ながらの優雅なモーツァルトを良しとする管理人のモーツァルト観がバリリSQと一致しているということかもしれません。

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