ヴェルナー・ハースのドビュッシー「喜びの島」

今日の東京は真夏の暑い一日でした。この3連休は暑い日が続きます。
今日はヴェルナー・ハース(p)の演奏するドビュッシー「喜びの島」を聴きました。1960年代前半のPhilipsへの録音です。

「喜びの島」は、ドビュッシーが18世紀のフランスの画家ワトーの絵画「シテール島への巡礼」を見て、インスピレーションを得て作曲した作品です。シテール島とは、ギリシアのクレタ島の北西部にある島で、愛の女神ヴィーナスの神話の存する島のようです。
本曲はハース盤で演奏時間5分7秒という小曲ですが、ドビュッシーらしい高雅で、フランスらしい香気、色彩感そして躍動感に溢れた、完成度の高い作品です。ドビュッシーとしては、本曲に付け加えるものは何もなかっただろうと思います。リスナーにとっては、たった5分余りの時間で、まるで別世界に飛翔したかのような経験を味わうことのできる曲です。一服の清涼剤として、今日のような夏の暑い日に聴くのにちょうど良い曲だと思います。

ヴェルナー・ハース(Werner Haas、1931ー1976)は、ヴァルター・ギーゼキングの高弟で、管理人がドビュッシー、ラヴェルのピアノ曲演奏家として好んで聴いているピアニストです。ハースは、ギーゼキングの演奏スタイルを受け継いだ、ペダリングをできるだけ排したフォルムを崩さない端正な演奏スタイルで、清潔なタッチでドビュッシーの音世界を再現します。また「喜びの島」は高度な演奏技術が要求される曲ですが、ハースは楽々と演奏しているように聞こえます。演奏テクニックという点では、おそらく師ギーゼキングよりも上でしょう。
ただし本曲を聴いて、あまりにも端正すぎて面白味が足りないように思いました。もっともハースはフォルムを崩さないことを身上とするピアニストなので、面白味を要求するのは筋違いですが…。

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