ブダペストSQのモーツァルト「弦楽五重奏曲第4番」

東京は今日は時折雨の降る寒い1日です。真冬のような寒さです。
今日は、モーツァルトの弦楽五重奏曲第4番ト短調K516を聴きました。演奏はブダペスト弦楽四重奏団とワルター・トランプラー(va)です。1966年12月16、7日の旧CBSへの録音です。

モーツァルトの弦楽五重奏曲第4番ト短調K516は、1787年、モーツァルト(1756ー1791)31歳の年に第3番ハ長調K515に引き続いて作曲された作品です。ハ長調とト短調というと、連想できるものがあります。交響曲第40番K550がト短調で、同第41番K551がハ長調であることです。
音楽学者や評論家の間では、モーツァルトの清朗さは悲哀の感情と裏腹だったと言われているようですが、その証左のような事実です。
また昨日エントリーしたシューベルトの弦楽五重奏曲がカルテット・プラス・チェロ一挺だったのに対し、本曲はカルテット・プラス・ヴィオラ一挺という楽器編成となっています。

さて今日聴いた弦楽五重奏曲第4番は、急・急・緩・急の4楽章構成を取ります。
第1楽章は悲哀の感情に満ち溢れています。途中で転調しダイナミックな曲調となります。
第2楽章はアレグレットで、ここでも憂愁の感情が感じられます。
第3楽章はアダージョで、瞑想的で、モーツァルトらしい優雅な楽章です。非常に中身の濃い秀逸な楽章ではないでしょうか。
第4楽章はアダージョで悲哀の表情で始まりますが、途中で長調に転調してアレグロに変わり、明るく高揚して終わります。

本曲はこのように内容の振幅が激しく、非常に中身の充実した作品です。モーツァルトの室内楽曲の中では有数の名曲なのではないと思います。

ブダペストSQとトランプラーの録音は、1966年という同四重奏団の最後期になされたものです。同SQは1940年代にもヴィオラのケイティムズと本曲の録音を行っており、今日聴いてトランプラーとの録音は再録音ということになります。
管理人はケイティムズとの本曲の初回録音をも所有していますが、演奏技術、演奏のキレという点では初回録音の方が上かもしれません。
しかし名手ワルター・トランプラーを迎えての本録音も、ブダペストらしいがっちりとしたスタイルを維持しながら、どことなく茫洋としたもので、同カルテットらしい風格の感じられる演奏です。
本録音は昔から名演として定評がありますが、今日聴いてそのことが頷ける名演だと思いました。

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