ボザール・トリオ/ローズのシューマン「ピアノ四重奏曲」

東京では昨日8月1日、梅雨明けが宣言されました。昨日今日と夏らしい快晴の毎日です。しかし、新型コロナウイルスの新規感染者は全国的に多く、今年の夏は不要不急の外出を控えなければならない、我慢の夏になりそうです。
管理人はここ4年間、夏に沖縄に行っていたのですが、今年は行くことはできず、それどころか最低限の実家への帰省さえできない夏になりました。

今日の1曲は、シューマンのピアノ四重奏曲変ホ長調作品47です。
演奏はボザール・トリオとサミュエル・ローズ(va)です。1975年6月の旧PHILIPSへの録音です。
ボザール・トリオの録音当時のメンバーは次の通りです。
メナヘム・プレスラー(p)
イシドア・コーエン(vn)
バーナード・グリーンハウス(vc)
この中でヴァイオリンのコーエンは、ボザール・トリオ入団前、ジュリアード四重奏団の第2ヴァイオリニストだった室内楽の名手です。また、本録音に参加しているヴィオラのローズは録音当時のジュリアード四重奏団のヴィオリストです。

さて、シューマンのピアノ四重奏曲は、ピアノ五重奏曲や3曲の弦楽四重奏曲等とともに、「室内楽の年」と言われる1842年、シューマン(1810ー1856)32歳の年の作品です。
この中ではピアノ五重奏曲が実演で演奏される機会の多い有名曲ですが、ピアノ四重奏曲もそれに劣らない名曲なのではないでしょうか。管理人の好みはピアノ四重奏曲です。

本曲は急・急・緩・急の4楽章構成を取ります。
第1楽章は幻想的な気配の導入部の後、快活に転じます。
第2楽章は軽妙なスケルツォです。
第3楽章は聴いていてハッとするような、ロマンティックな美しい楽章です。神秘的な要素さえ感じられます。シューマンは時々、ハッとするような美しい楽章を作曲しています。別の例を挙げると、交響曲第2番の緩徐楽章です。本曲の最大の魅力はこの第3楽章だと思います。
第4楽章は快活かつ壮麗に曲を締めます。
本ボザール・トリオ盤で30分近い、中々の大曲です。

ボザール・トリオの演奏は、同トリオらしく引き締まったもので、シューマンがロマン派の作曲家だからと言ってロマンティックに流れることはありません。名手プレスラーのリードが光りますが、第3楽章でチェロが何とも美しい旋律を奏でる個所でのチェロのグリーンハウスの分厚い音色での演奏に耳を惹きつけられます。
同トリオは録音当時、上記のようにプレスラー、コーエン、グリーンハウスというメンバーだったのですが、この当時が最盛期だったのではないかと思います。

管理人は本曲の録音では他に、昔のイエルク・デムスとバリリSQ団員の名演(本ブログで以前に取り上げたことがあります)、アメリカのレナード・バーンスタインとジュリアードSQ団員、プレスラーとエマーソンSQ団員、それにフランスのユボーとヴィア・ノヴァSQ団員の演奏を持っています。これらの録音で分かるように、本曲はピアニストと、弦楽四重奏団の第2ヴァイオリンを除く3人のメンバーによって演奏されるのが通常です。本録音はピアノ・トリオとヴィオリストによって演奏されるという異色の演奏です。

"ボザール・トリオ/ローズのシューマン「ピアノ四重奏曲」" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント