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zoom RSS タカーチSQのベートーヴェン「弦楽四重奏曲第7番」

<<   作成日時 : 2007/01/04 21:15   >>

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今日はベートーヴェンの弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」を聴いてみた。演奏はタカーチSQ、2001年11月の録音である。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第7〜9番「ラズモフスキー第1〜3番」の3曲は、交響曲「英雄」「運命」や熱情ソナタと同様、ベートーヴェンの中期の「傑作の森」に作曲されたもので、いずれ劣らぬ名曲だと思う。3曲の中では第9番がいちばん人気があるのではないだろうか。ぼくの個人的な好みは、強いていえば第8番「ラズモフスキー第2番」だが、3曲とも大好きな曲だ。

さて今回聴いた第7番「ラズモフスキー第1番」は、慣例どおり急―急―緩―急の4楽章編成をとる。だがチェロ独奏で始まる第1楽章はスケールがはなはだ大きく、この曲が従来の弦楽四重奏曲の枠から大きく足を踏み出した曲であることがわかる。第2楽章はスケルツォだが明朗に始まるかと思えば激しさを感じさせる部分もあり、振幅が激しい。第3楽章は「メスト」(悲しげに)の指定があり、痛切な心情が吐露される。第4楽章はロシア民謡の旋律で始まり、壮大なクライマックスを形成する。

この曲は、初演された時「理解が不可能」と評されたというエピソードが残っている。確かに同じ弦楽四重奏曲でもモーツァルトの「ハイドン・セット」が内側にぎゅっと凝縮された密度を持ち、またベートーヴェンの作品18の初期弦楽四重奏曲が表面的には古典的なたたずまいを維持しているのに、この曲はスケールが雄大で、外に向かって大きく開かれている。上述の評言もさもありなんという感じがする。ぼくとしては、新年の門出にふさわしい良い曲を聞いた、と思いがした。

タカーチSQの演奏は、生き生きとした素晴らしいもの。実はぼくが現役の弦楽四重奏団の中で最も好きなのが、このタカーチSQだ。ぼくは、タカーチSQに出会うまでは、1980年代以降に活躍しているアルバン・ベルクSQ、ハーゲンSQなど多くの弦楽四重奏団には、どこか好きになれないでいた。各奏者の演奏技術とかアンサンブルの精度は高いのかもしれないけれど、「室内楽」としてはどうかという思いがしたからだ。しかしこのタカーチSQは、このような違和感を払拭してくれた。各奏者の均一性、曲に奉仕するという真摯な姿勢、表現意欲いずれをとってもすばらしい団体だ。
ぼくは昨年6月23日、東京・銀座の王子ホールで彼らの実演を初めて聴いたが、感動的な演奏会だった。今後の活躍に大いに期待している。

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ベートーヴェン 第7番ヘ長調 タカーチ四重奏団 2001年
1975年まだメンバーが学生時代に創設、1983年にブダペシュトを離れたタカーチ四重奏団、なぜかイギリスを本拠地にしているイメージがありましたが、コロラドに移住していたのですね。なお、1992年には、その名を冠する第1ヴァイオリンのガーボル・タカーチ-ナジが去り、エドワード・ドゥシンベルがその地位に就いています。 ...続きを見る
String Quartets
2008/07/13 00:00

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
アルトゥールさん、こんばんは!
お薦めをいただき、購入してから1年以上も経って、やっと同じ演奏を採り上げることができましたので、アルトゥールさんのエントリーを拙ブログにてご紹介させていただきましたm(_ _)m
タカーチ四重奏団は同じハンガリーをルーツとするバルトーク四重奏団やハンガリー四重奏団よりも洗練されていると思いますが、表現意欲が節々に感じられても厭味とならずに“やり過ぎていない”ことが魅力と思います。ぜひ実演を聞いてみたいと思い、再来日が近いうちにないか心待ちにしています。
凛虞
URL
2008/07/13 00:08
凛虞さん、おはようございます!
TBを頂き、また貴ブログにおいて拙記事を引用して頂きまして
たいへん有難うございました。
タカーチSQは、仰るようにハンガリー系でも洗練されています
ね。ハンガリー系の四重奏団にも新しい傾向が現れてきたのかも
しれません。そこに不満を覚えるファンもいるかもしれませんが、
私はタカーチは実演に接したせいで贔屓にしています。直近の来
日が2006年だった(その直前にヴィオラの交代があったようです)
ので来年あたり再来日するのではないでしょうか。私も是非もう
一度聴いてみたいです。
アルトゥール
2008/07/13 09:59

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