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zoom RSS ミルシテインのメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」

<<   作成日時 : 2007/09/28 18:59   >>

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今日はメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」を聴いてみた。演奏はナタン・ミルシテイン(vn)とクラウディオ・アバド指揮ウィーン・フイルハーモニー管弦楽団、1972年の録音である。
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このメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、ベートーヴェン、ブラームスのヴァイオリン協奏曲とともに3大ヴァイオリン協奏曲(またはチャイコフスキーを加えて4大ヴァイオリン協奏曲)に数えられている。そしてベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲がヴァイオリン協奏曲の「王様」とされるのに対し、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は「女王」とされることもある。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」がその名の通りピアノ協奏曲の皇帝と言われるのに対し、シューマンのピアノ協奏曲が女王とされるのと同じ関係だ。そしてぼくは、ピアノ協奏曲では「皇帝」より「女王」の方が好きであるのと同様、ヴァイオリン協奏曲でもベートーヴェンの「王様」よりのメンデルスゾーンの「女王」の方が好きでいる。

このメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、メンデルスゾーン35歳の時の作品で、モーツァルトに次ぐ早熟の天才だった彼としては円熟期に書かれた作品といえる。実際、メンデルスゾーンらしく古典派の形式美と格調の高さを維持しながらも、内容は非常にロマンティックな情熱みなぎる名作で、メンデルスゾーンのすべての作品の中でも最高傑作ではないだろうか(もっともぼくは彼の宗教曲はほとんど聴いたことがないので、確かなことはいえない)。

さてこの曲は3楽章編成を取っているが、各楽章は続けて演奏される。第1楽章は有名な憂愁の感じられる旋律で始まる。青年らしい憧憬と憂愁と、そして若さゆえの情熱の奔流が聴く者の胸に迫ってくる。最近フィギュア・スケートの安藤美姫選手が、フリーでの演技の際にこの音楽を使用していたのが記憶に新しい。曲と彼女の表現したいものがマッチした名演技だったと思う。
第2楽章はオーケストラをバックに独奏ヴァイオリンが歌謡的な美しい旋律を奏でる。この旋律は作曲者の「無言歌」の世界に通じるものがありはしないだろうか。
第3楽章は流麗に駆け抜けるが、その中にも甘美さを失わない。

ミルシテインとアバドの演奏は非常に素晴らしい。ミルシテインは持ち前の線の細く高貴な美音で、かなり自由に演奏している。第2楽章の旋律を歌う個所は、格調の高さを維持しながらも切々と演奏していて、とりわけ印象に残る。メンデルスゾーンを得意にしているアバドの指揮もウィーン・フィルを美しく歌わせながら巧みにミルシテインを引き立てていて、申し分ない。

ミルシテインは日本に来演したことはなかったが、欧米ではヤッシャ・ハイフェッツと並び称せられる存在だったらしい。このメンデルゾーンのヴァイオリン協奏曲でもハイフェッツ盤は古来名盤として知られている。しかしハイフェッツ盤はミルシテインのような崇高さが不足しているのではないだろうか。ばりばりと技巧にまかせるあまり繊細さが足りないように思われる個所もある。メンデルスゾーンに関しては、ぼくはミルシテインに軍配を上げたいと思う。

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