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zoom RSS チェリビダッケのブルックナー「交響曲第9番」

<<   作成日時 : 2008/10/04 21:35   >>

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今日は秋晴れの天気の良い日でした。1年中今日のような天気だったら良いのに…と思うような陽気でした。
今日は最近あまり聴いていなかったブルックナーを聴きました。チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルの演奏する第9番です。1995年9月10日のライブ録音です(EMIによる発売です)。チェリビダッケ(1912ー1996)としては最晩年の演奏だということになります。

まず第1楽章ですが、ナイアガラかイグアナの滝を切って落としたような怒涛のフォルテッシモが印象に残る楽章なのかもしれません。しかし、特にこのチェリビダッケの演奏で聴いてみると、とてもそんな単純なものでないような気がします。ダイナミックといっても、単に人間や自然が動くというようなダイナミズムではなく、もっと巨大な世界全体というか大宇宙というか、その天地開闢以来の歩み、歴史そのものを聴いているような気持ちになるのです。
このような時間性・歴史性を感じさせる楽章は、ブルックナーの他の作品には存在しないように思います。ぼくのようなブルックナー・ファンにとっては特別な楽章なのです。

第2楽章も、ただのスケルツォというより、今現在、世界というか生命体の鼓動しているのを、生命の律動そのものを、聴いているような気持ちになります。

第3楽章は、ブルックナーが生前に完成した最後の楽章になったわけですが、これが凄い楽章だと思います。アダージョというと普通、美しい、静かといったイメージがあります。しかしこのチェリビダッケの演奏で聴くと、単に美しく静かだというだけでなく、聴く者が別世界に到来したことを、または別世界の誕生を経験しているような気持ちになります。

チェリビダッケの演奏はたいへんテンポの遅いものです。同じチェリビダッケでのシュトゥットガルト放送響を指揮した1974年の演奏が、24分24秒/11分11秒/23分43秒なのに対し、今日聴いた1995年の演奏は32分26秒/13分47秒/30分37秒ですから、いかに遅いかが分かります。

しかし今日聴いた演奏は、まるで遅さを感じさせません。説得力が強いというのでしょうか、それが当然で必然的であるかのように感じさせられるのです。そして上記のような感想は(もちろん、ぼくの個人的な感想にすぎないのですが)、このチェリビダッケの演奏だから抱くことができたものです。
これが最高の演奏かどうかは、もちろん聴く人次第ですし、ぼく自身にも分からないのですが(たとえばチェリビダッケの1974年録音の方が上に思う時もあります)、非常にユニークで、他ではぜったい聴くことのできない演奏であるだけは確かだと思います。

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
 こんにちは。
 タイムを見ると、ほんとうに長いですね。こんなに長いのに、まったく遅さを感じさせない演奏、記事を拝見して、とても興味がわいてきました。
 チェリビダッケのブルックナーは、以前ちょっと聴いたところ、あまりの緊張感が息詰まるようでそれ以来あまり聴いていないのですが、新しい演奏もずいぶん出ているようなので、そろそろチャレンジしてみたいと思っています。
Nora
2008/10/08 13:08
Noraさん、こんばんは。
いつもコメントを頂き、有難うございます。

EMIから出ている晩年のチェリビダッケは本当に遅いです。
すべてが成功しているとは思いませんが、ブルックナーは
個人的に大好きでいます。
チェリビダッケは仏教の信者だったと聞きますが、
お経を読んだり聞いたりしている時のように、緊張感・集中力
が凄く、テンポの遅さを感じさせないものがあります。

アルトゥール
2008/10/08 21:26
はじめまして。

私もブルックナーは大好きです。チェリビダッケの晩年の演奏はどんな曲でも驚異的にテンポが遅いですね。あれはオーケストラの響き、音色の変化を聴衆にわかり易くさせるための独特の演奏手法であると考えています。ですのでブルックナーの演奏としては個人的には余り好みません。ひたすら「凄い」のは間違いないですが。ちょうど同じ時期にオイゲン・ヨッフムがこのミュンヘンフィルを(チェリビダッケに)振らせてもらったLIVEの9番が昨年発売されました。お聴きになられましたでしょうか?
オケにチェリビダッケの響きを感じさせますが、しかしブルックナーの音楽として感動しました。この2つの演奏の比較は大変に興味深かったです。
ハルくん
URL
2008/10/19 07:21
ハルくんさん、はじまして。
コメントを頂き有難うございます。

チェリビダッケの晩年のテンポの遅い録音ですが、オーケ
ストラの響きや音色を聴衆に理解してもらうための演奏手
法だとは考えたことがありませんでした。卓見だと思いま
す。私自身はブラームスなどは疑問に感じますが(EMI
のブラームスは中古CD店に売ってしまいました)、ブル
ックナーだけは、なぜか惹かれるものがあります。
ただしチェリビダッケの演奏は、ブルックナーに限らず全
体的に、DGから出ているシュトゥットガルト放送響時代
の方が上のような気がしています。
ヨッフム/ミュンヘン・フィルの演奏は聴いたことがあり
ません。ヨッフムのブルックナーというとドレスデンを振
ったEMIの演奏しか聴いたことがないのですが、最近は
ヨッフムのような素朴型の演ブルックナーは聴かなくなり
ました。ブルックナーにもう少し何かを求めたいのです。
アルトゥール
2008/10/19 17:06
こんばんは。

そうですねヨッフムのEMI録音は素朴型と言えるでしょうね。
その点でミュンヘンLIVEはまさにその「何か」が有る演奏だと思います。
それはオーケストラに拠るところが大きいと言う気がします。
私はミュンヘン盤は彼のベルリンフィル盤、ドレスデン盤とは比較にならないほど素晴らしい演奏だと思います。
ハルくん
URL
2008/10/20 01:15
ハルくんさん
再度のコメント有難うございます。

実はヨッフムの初回のDGへの全集は、金銭的余裕があれば
聴いてみたいと思っていたところでした。ベルリン・フィル
もカラヤン色があまり強くない時期だと思いますし…。
しかしミュンヘンLIVEの方が良さそうですね。御紹介を頂き
たいへんありがとうございました。

アルトゥール
2008/10/20 20:26
ヨッフムのDGの全集は1番、2番、6番といった地味な曲が非常に良い演奏ですよ。5番、7番あたりは晩年のコンセルトへボウとのLIVEがありますし、9番はミュンヘン盤があるので比べてしまえば及びませんが、とても良い全集だと思っています。
ハルくん
URL
2008/10/20 23:34
ハルくんさん、コメント有難うございます。
1番、2番、6番は地味な存在で、録音されるとしても
全集の一環としてという場合が大半ですね。
ただし6番は自分の好きな曲なのですが…。
1、2、6番あたりは、最近はスクロヴァチェフスキで聴く
ことが多いです。
ヨッフムは亡くなったから時間が経ったせいか、最近はあま
り注目されていないような気がします。
ヨッフムのDG盤、良さそうですね。
いろいろ教えて頂いて有難うございました。



アルトゥール
2008/10/21 20:56

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