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zoom RSS 「ピーター・ゼルキン・ピアノ・リサイタル」(8月31日)

<<   作成日時 : 2011/09/03 15:11   >>

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8月31日(水)、東京・初台の東京オペラシティ・コンサートホールで行われたピーター・ぜルキンのピアノ・リサイタルに行ってきました。
プログラムは次の通りでした。

 武満徹:フォー・アウェイ
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番
 (休憩)
 ベートーヴェン:ディアベッリの主題による33の変奏曲

ぼくがこのリサイタルに行ったのは、ピーター・ゼルキンはこれまで一度も生で聴いたことがないので一度実演に接してみたかったというの点もありましたが、それ以上にプログラムに魅力を感じたからです。
ばくは、ベ−トーヴェンの全作品の中でいちばん好きな曲がピアノ・ソナタ31番というほどソナタ31番が好きで、その次はというと、5曲の後期弦楽四重奏曲、熱情ソナタ、ハンマークラヴィーア・ソナタ、ディアベッリ変奏曲の中で迷うというくらい、ディアベッリ変奏曲が好きなのです。
こんなに好きな2曲を一夜で聴けるとは、何という贅沢なのでしょうか。

さてピーター・ゼルキンですが、若い頃は父ルドルフ・ゼルキンにあまり似ていない、知性的な風貌というイメージがありましたが、今回初めて見るゼルキンは、60歳を超え(1947年生まれ)、頭髪に白いものが混じり、大家の風格を漂わせていました。

最初の武満の「フォー・アウェイ」は現代音楽に深い理解を持つゼルキンならではのプログラムだと思います。しかし、ぼくは現代音楽が苦手で、特に武満が苦手なので、よく分かりませんでした。曲自体は、ぼくでさえ名前を聞いたことがあるので、有名な曲なのだろうと思いますが…。

次のソナタ31番ですが、テンポがたいへんゆっくりしていました。このような激遅のテンポでは曲の流れが損なわれてしまい、まるでスポーツをスローモーションで見ているようなもので、あまり共鳴できませんでした。また演奏ミスがあったのも気になりました。

こんなわけなので、中休みには、今日のコンサートは外れなのかもしれない、という不安に襲われていました。

ところが、休みをはさんだ「ディアベッリ変奏曲」は一転して、素晴らしい演奏でした。
ゼルキンが椅子に座るなり、一呼吸もおかずいきなり弾き始めたのにも驚きましたが、最初の1小節を聴いただけで、これは素晴らしい演奏になると直感しました。

曲自体、ディアベッリの主題から始まる33の変奏曲で構成された千変万化のミクロコスモスのような曲ですが、ゼルキンの演奏はまさに緩急自在、変幻自在で、曲の即興的な楽しい部分も、内省的な部分も表現が素晴らしく、たいへん満足のいくものでした。
この曲の理想的な再現とさえ感じました。
考えてみれば、ゼルキンはバッハの「ゴルトベルク変奏曲」を得意にしているので、この「ディアベッリ変奏曲」にも深い理解を持っているのではないでしょうか。

またゼルキンのピアノの音色は少しの濁りもないきれいなもので、質実剛健な演奏をした父ルドルフ・ゼルキンとはスタイルは違うと思いますが、音色の美しさという点では受け継いだものがあるのではないでしょうか。

このように「終わり良ければすべて良し」のことわざ通り、最後に「ディアベッリ変奏曲」の名演を聴くことができたことで、満足して帰路に就くことができました。

追記(9月7日) コンサートの会場で配られたプログラムに、「ディアベッリ変奏曲のこと」と題するゼルキン自身による投稿が載せられていました。興味深い内容なので、一部を転載します。
「…この曲は、最初のテーマ以外、彼(ベートーヴェン)自身がピアノのための自ら生み出した作品以外の何ものでもありません。この中でもベートーヴェンはその完璧なまでの作曲の技を見せつけるだけでなく、作品全体を陶酔するような即興性で被ってみせています。そして、今までの慣習的なものに対する、どこか生意気で、乱暴で、不遜な精神がこの作品にもみなぎっています。…
この作品は冒険心にあふれ、ワイルドで、気狂いじみていて、近代的で、万華鏡のように変幻自在の作品です。そしてまた楽しさあふれる作品なのです。まさに”変容・変換”であり、驚くべき変容が次から次へと起きていきます。…
『ディアベッリ変奏曲』を聞いていると、冒険心を満たしてくれるような体験と、豊かで内省的体験の両方を味わうことができます。」






ベートーヴェン:ディアベリ変奏曲
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ゼルキン(ピーター)

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