ケンプのシューマン「謝肉祭」

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シューマンとかドビュッシーのピアノ曲は宝の山ではないだろうか。シューマンだと有名なピアノ曲は「子供の情景」「クライスレリアーナ」それに「交響的練習曲」あたりだろう。だが他にも、良い曲、面白い曲は多いと思う。「謝肉祭」作品9も、聴き手のイマジネーションを刺激する、面白い曲だと思う。演奏はウィルヘルム・ケンプ、1972年2月の録音である。

「謝肉祭」作品9は20の曲で構成される組曲である。第1曲「前口上」以下、第2曲「ピエロ」、第3曲「アルルカン」というように表題が付けられ、第20曲「フィリスティンに対抗するダヴィッド同盟員の行進」で終わる。本などによると、シューマンは仮装舞踏会の行列をイメージしてこれら一連の作品群を作曲したらしい。ピアノによる上質な遊びとでもいうべき作品群だ。表題を念頭に置きながらイメージを飛翔させて聴くのもよし、ただ何となく聴いていてもそれなりに楽しめる曲である。

ところでケンプというと、ベートーヴェン、シューベルトのイメージは強いが、そのシューマンは今一つ注目度が低いのではないだろうか。しかし、その歌うような詩的なシューマンは、ロマン性を前面に押し出したシューマンとはまるで違うが、独特の味わいがある。この「謝肉祭」ではとりわけケンプならではの面白さが味わえた。

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