デュトワのドビュッシー「海」

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今日はシャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団の演奏するドビュッシー「海」を聴いてみました。録音は1989年5月です。

ドビュッシーはいうまでもなく、フランス印象派の開祖にして第一人者で、多くのオーケストラ曲とピアノ曲を作曲しています。彼は風景、人の感情、文学などに接しておのれの感受性のままに得られたものを音にして表したわけですが、インスピレーションを音にしようと着想を得てから、オーケストラがふさわしいのかピアノがふさわしいのかと考え始めた人なのではないでしょうか。同じフランス印象派でもラヴェルは、最初からオーケストラ曲ならオーケストラ曲を作曲しようと決めてかかってから題材を求めるような節があり、この両者の個性の違いだと思うのです。

さてこの「海」ですが、第1曲「海の夜明けから真昼まで」、第2曲「波の戯れ」、第3曲「海と風の対話」の3曲から成り立っています。このような海が夜明けを迎えてから、真昼に至り、ある時は波が戯れ、時には風が吹き付ける、というのは、非常にスケールの大きい題材です。こうした題材から得られたインスピレーションは、たしかにオーケストラの多層的な響きでしか音にして表すことはできないでしょう。
聴き手は曲に耳を傾けて、オーケストラが表現している各題名のような出来事に想像をめぐらせれば、あたかも実際の海が思い浮かぶかのよう。しばし空想の世界に遊ぶことができます。ドビュッシーのインスピレーションの鋭敏さと作曲の巧みさがよくわかります。特に寄せては返す波のような弦楽器の響きと管楽器の巧妙な使用が印象に残ります。

デュトワ指揮モントリオール響の演奏は、このオーストラの柔軟な響きと色彩感をよく生かしたもので、昔から名演との定評のあるものです。まず万人向けの名演だと思います。

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この記事へのコメント

2007年06月15日 08:23
アルトゥールさん、おはようございます。
ドビュッシーの管弦楽曲は、たゆたうような響きが独特で、色彩感も素晴らしいですね。
僕も「海」はデュトワ/モントリオールSOで聴くのが好きです。録音状態は今聴いても最高ですし(デュトワのDECCA盤は全てが素晴らしい録音です)、淡いピンク色のような響きがたまりません。
2007年06月15日 22:05
mozart1889さん、コメント有難うございます。
DECCAのサウンドで聴くデュトワ/モントリオールSOの
ドビュッシーの管弦楽曲は、三者の幸福な出会いなので
しょうか、色彩感、柔らかさがすばらしいですね。私も
ドビュッシーは大体デュトワで聴きます。80年代から
90年代にかけてデュトワは、いろいろと良い録音を残
していたと思います。
2007年06月17日 15:00
初めまして。私は「海」が大好きで、結構いろいろな盤を持っています。それでもドイツのオケは敬遠していたのですが、最近、ラトルの新しい録音とチェリビダッケのライブ盤を立て続けに聴きました。前者はスタンダード、後者は個性的、と違いがありますが、どちらも聴きごたえがありました。
2007年06月17日 20:48
子守男さま、はじめまして。
コメント有難うございます。
私もドビュッシーはフランス又はフランス系のオケに限る…と
ずっと思っていました。ところが最近チェリビダッケ&シュト
ゥットガルト放送響のDG盤を聴いて、その独特の、しかし緊
張感のあるテンポ感と磨きぬかれた音に魅せられました。やっ
ぱりあまり先入観を持つのはよくないですね。

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