フランチェスカッティのモーツァルト「ヴァイオリン協奏曲第3、4番」

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モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K216と同第4番ニ長調K218を聴いてみた。演奏はジノ・フランチェスカッティ(ヴァイオリン)とブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団で、1958年10月の録音である。

まず第3番の方は、一度聴いたら忘れられない、美しく、華やかで、躍動感のある旋律の第1楽章で始まる。第2楽章は優雅だ。オーケストラをバックに独奏ヴァイオリンが美しい旋律を奏でる。第3楽章はロンドで楽しい。
第4番も第3番とほぼ同じ趣だ。ただ華やかで外向的で第3番に対し、第4番は方が落ち着きが感じられると思う。なおぼくは第4番の第1楽章が好きでいる。
ただ両曲とも美しく優雅なものの、モーツァルトがまだ19歳の時の作だけあって陰影に乏しいということはあると思う。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲は古今の3大ヴァイオリン協奏曲(ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームス)に含まれないが、それはこの点が原因ではないだろうか。

フランチェスカッティ(1902ー1991年)はフランス生まれながら、第二次世界大戦中に戦火を避けてアメリカに渡りそのままアメリカで活躍したヴァイオリニストだ。この演奏はぼくには不満が残る。音は華やかで美しいものの、一口でいうと腰が軽い。要するに一時代前の古い演奏スタイルなのだ。切れ味の足りなさ、底の浅さ、呼吸の浅さといった欠点が耳に付く。ハイフェッツ(1901年生まれ)、オイストラフ(1908年)とほぼ同年代に活躍したヴァイオリニストにもかかわらず、今やその存在が忘れられそうになっているのは、その辺りに原因があるのではないだろうか。

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この記事へのコメント

2007年07月13日 20:40
アルトゥールさん、こんばんは。
フランチェスカッティのモーツァルトの3番は、モーツァルトの青春の爽やかさがよく出ている演奏ですね。ソロが素晴らしく美しく、珠玉のようです。技巧も万全で、申し分ないと思います。
また、ワルターの伴奏がまたイイですね。柔らかく温かく、ふっくらと心地よいんです。
古い演奏になりましたが、時々取り出しては楽しんでいます。
2007年07月13日 22:20
mozart1889さん、お久しぶりです。
コメントとTB有難うございます。

貴記事を拝見して思ったのですが、
私もワルターの指揮に触れないといけなかったですね。
いつものワルターらしく、心の優しい老人を思わせる柔和な
演奏だったと思います。
フランチェスカッティは、クレーメルや古楽器奏者の演奏を
聞きなれてしまうとオールド・ファッションのように思った
のですが、音の美しさは仰るように格別です。
私も何やかや言いながらも、何年かに一度は聞いています。

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