ウラッハのブラームス「クラリネット三重奏曲」

今日の東京はよく晴れましたが、気温が11月下旬としては異例なほど低く、晩秋というより「冬晴れ」という言葉が適切な1日でした。
今日聴いたのは、ブラームス「クラリネット三重奏曲」です。演奏はレオポルド・ウラッハ(cl)、フランツ・クヴォルダ(vc)、フランツ・ホレチェク(p)のWestminsterへの録音です。録音年は1952年です。

ブラームスは、その生涯の最晩年にクラリネットの名奏者リヒャルト・ミュールヘルトと出会い、その演奏に触発されて4曲のクラリネットのための室内楽作品を作曲しました。作曲順にクラリネット三重奏曲作品114、クラリネット五重奏曲作品115、そして作品120の2曲のクラリネット・ソナタです。
この中でもっとも有名なのはもちろんクラリネット五重奏曲で、今日聴いたクラリネット三重奏曲はその影に隠れてか演奏機会はずっと少ないようですが、ぼくは個人的にクラリネット五重奏曲と並び好んでいます。
第1楽章はブラームスらしい憂愁を帯びたチェロの旋律で始まり、クラリネットのあの何ともいえない渋く甘い響きが続きます。ブラームスらしい憂いを帯びた渋い楽章です。第2楽章はアダージョですが、これまた晩年のブラームス以外の誰もが作曲できなかったであろう独特の、のどかで平和な楽章です。第3楽章はアンダンティーノで飄々たる趣があります。ぼくはこの第3楽章が昔から事のほか好きでいます。第4楽章はほの暗い情熱を帯びたダイナミックな楽章です。
この曲は、クラリネットとチェロというともに低音領域の楽器が用いられています。そのため全体的に落ち着き、深くしみじみとした味わいがかもし出されています。それをピアノが静かに包み込むという、楽器編成の妙が物を言っています。クラリネット五重奏曲と並び、ブラームス晩年の名作の一つでしょう。今日のような晩秋に聴くのにふさわしい曲だと思います。

ウラッハの演奏は、非常に素晴らしいものです。甘くて渋い、深々とした音色、情緒あふれる歌いまわし、ブラームスのこの曲に全くふさわしいものです。録音から50年以上が経過した今日でも、まず最高の演奏だと思います。

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