ビル・エモット『アジア三国志』(日本経済新聞出版社)

ビル・エモット(伏見威蕃訳)『アジア三国志』(日本経済新聞出版社)という本を読了した。著者のエモット氏は1956年イギリス生まれ、同国の『エコノミスト』誌の編集長を務めた著名ジャーナリストである。同誌の東京支局長を務めた経験のある知日派であり、『日はまた沈む』等の著作でも知られている。
ぼくは、エモット氏の著作は「日はまた沈む」のほか、『日はまた昇る』(草思社)、『これから10年、新黄金時代の日本』(PHP新書)、ピーター・タスカ氏との共著『日本の選択』(講談社インターナショナル)と読んできた。いずれも著作でも、日本を取り巻く内外の情勢に対する深い知識と明晰な論理がたいへん魅力だった。

さて今回の『アジア三国志』(原題はRivals)だが、三国志とは日本、中国、インドのことである。従来からの経済大国・日本に加え、90年代から中国とインドが劇的な経済成長を遂げ、世界経済の中に大きな位置を占めるようになった。経済だけでなく、これらアジア3ヵ国の政治・軍事上の問題も、世界中のどの国を無視しえなくなっている。本書は、これら3ヵ国の政治・経済・社会における長所と問題点を詳しく分析し、今後どのような展開をみせるのかを展望するものである。
単に3ヵ国のみならず、アメリカをはじめとする他国を巻き込んだパワー・バランス、さらに環境問題や歴史問題、軍事上の発火点ともなりうる危険点(パキスタン、国境問題、台湾問題、北朝鮮問題など)についても深い考察を加えている。考察を加えるのみならず、将来の展望や各国がとるべき行動の提言もなされている。

ぼくは本書を読んで初めて知ったことも多く、著者の明快な論理にはいちいち納得させられた。日本をはじめ各国が抱えている問題点についての展望や、各国政府に対する提言もきわめて合理的だ。アジアの今後の政治経済を考えていく上で、絶好の啓蒙書だと思う。



アジア三国志
日本経済新聞出版社
ビル エモット

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世界の平和は日本、中 ...
現状把握の枠からでて ...

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