アラウ/デイヴィスのベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番『皇帝』」

明けましておめでとうございます。
本年も、本ブログを御愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

さて新年最初の曲は、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」です。演奏は、クラウディオ・アラウ(p)とコリン・デイヴィス指揮シュターツカペレ・ドレスデンです。1984年11月の旧PHILIPS(現在はデッカ)への録音です。

「皇帝」協奏曲は、今さら言うまでもなく、ベートーヴェン有数の名曲であり、古今の全ての協奏曲の中で一、二の名曲です。堂々としてスケールの大きい第1楽章、叙情的でリリカルな第2楽章、流麗で勢いのある第3楽章、いずれも見事な出来映えです。また新年に聴くのにふさわしい曲想ではないでしょうか。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲5曲の中では、「皇帝」ではなく第4番を好む方が少なくないようです。しかし管理人が好きなのは「皇帝」です。この曲は若い時から聴いていますが、年を取るにつれてだんだん好きになってきた実感がします。

アラウ/デイヴィス/ドレスデンの演奏は、顔ぶれで分かるように、ゆっくりとしたテンポでの重厚で堂々とした演奏です。アラウは録音当時81歳。しかしテクニックは驚くほど衰えていません。アラウらしい、じっくりした聴きごたえのある演奏を聴かせてくれます。音色は温かく、驚くほど澄んでいます。
また録音当時の1984年はベルリンの壁が崩壊する以前で、シュターツカペレ・ドレスデンが「いぶし銀」と形容される質実で柔らかく温かい音色を残していた時代です。曲自体とオーケストラの良さを引き出そうとするデイヴィスの堅実な指揮のもと、アラウと理想的な共演を聴かせてくれます。アラウとドレスデンの相性の良さを感じます。

管理人は、「皇帝」というとDGのミケランジェリ/ジュリーニの明快・清冽な演奏が好きでいますが、時々伝統的なベートーヴェン像を体現するような重厚な演奏を聴きたくなる時があります。そのような時はアラウのじっくりした重厚な演奏を聴くことが多いです。
アラウは管理人の好きなピアニストです。ベートーヴェンだけでなく、シューベルト、ショパン、シューマン、リストのロマン派の演奏も好きです。
アラウに凡演はない、というのが管理人の感想です。彼は、どの作曲家に向き合ってもじっくりとした重厚な演奏を聴かせてくれます。確立した自分のスタイルを持っています。
管理人は、モーツァルト、ベートーヴェンの古典派では知情意兼ね備えたブレンデル、ロマン派ではのびのびとしたルービンシュタインが好きです。しかし彼らだけでは面白くないと思います。彼らと異なるタイプであるアラウも、彼らと共に座右に備えていつまでも聴いていきたい、そんな気持ちでいます。


後記 ベートーヴェン「皇帝」については、これまでミケランジェリ盤、シュナーベル盤、ケンプ盤についての記事を書いたことがあるので、それらの記事を下記に自己TBしました。




ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番&第5番「皇帝」
ユニバーサル ミュージック
アラウ(クラウディオ)

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この記事へのコメント

rudolf2006
2018年01月19日 07:03
アルトゥールさま 寒中お見舞い申し上げます。
遅くなりましたが… 今年もよろしくお願いいたします。

アラウのベトベン ソナタの全集は持っていて 今後期のソナタを聴いています
コンチェルトは聴いたことがないかもしれません
名手の録音があまりにも多いですね 廉価盤が増えてきて 入手しやすくはなってきているのですが…
どうも同じようなものを聴くことが多くなっている気も…

また 色々と紹介してくださいね
ミ(`w´彡)
2018年01月19日 20:12
rudolf2006さま
寒中お見舞い申し上げます。
今年もよろしくお願い致します。
また、コメントを頂き、有り難うございます。

アラウは年を取るごとに好きになってきたピアニストです。
若い頃はテンポが遅くて、生き生きしていないように思ったのですが、だんだんこんなに味わい深い演奏をするピアニストは他にいないと思うようになりました。
ベートーヴェン、ブラームスはもとより、シューベルトや、ショパンさえアラウが大好きになりました。虚飾というものと無縁で真摯にピアノ演奏に向き合っている点、R・ゼルキン師と似たところがあるかもしれません。

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