マリア・ジョアン・ピリス・ピアノ・リサイタル(4月17日)

昨日4月17日(火)、東京・赤坂のサントリーホールで、マリア・ジョアン・ピリスのピアノ・リサイタルを聴きました。
ピリスは今年2018年での引退を表明しており、日本ではこの4月のツアーが引退ツアーということになります。今回のツアーでの東京でのリサイタルは昨日4月17日が2回目で、プログラムは次の通りでした。

モーツァルト: ピアノ・ソナタ第12番K332
モーツァルト: ピアノ・ソナタ第13番K333
(休憩)
シューベルト: 4つの即興曲D935

前日の4月16日に浜松で同じプログラムのリサイタルが行われたようでした。

さてピリスは日本で人気のあるピアニストです。また本人も親日家らしく、来日回数は多いです。昨日は引退公演ということで多くのファンが詰めかけ、サントリーホールはほぼ満席でした。

前半のモーツァルトのソナタK332と333は、管理人の好きな曲です。
ピリスが弾き始めてすぐ気が付いたのですが、使用楽器はヤマハでした。ヤマハ独自の豊かな音色がモーツァルトの簡素で純粋な曲想と合っているように思いました。
ピリスの演奏は驚くほど早いテンポで、フレッシュ感がありました。早いテンポといっても一本調子にならず、音の強弱、ペダリングなどニュアンス豊かに繊細に演奏しているのはさすがだと思いました。

後半はシューベルトです。「4つの即興曲D935」は管理人のたいへん好きな曲で、特にその第2曲・第3曲は愛して止むことはない曲です。今回のピリスの東京でのリサイタルは1日目がベートーヴェン、2日目がモーツァルトとシューベルトでしたが、管理人が昨日の2日目のチケットを取ったのは、この即興曲D935を聴きたかったからなのです。
ピリスの演奏は起伏に富み、感情表現の豊かなものでした。テンポはモーツァルトの時と異なり、普通でした。
特に第1曲が名演と感じました。第1曲は何かの深淵を表すと共に歌謡性をも持った曲ですが、ピリスの演奏は深々としていて、ダイナミズムと歌心の両方を合わせ持った稀有な名演だと思いました。ピリスは90年代後半に即興曲D935をDGレーベルに録音していますが、その録音は昨日の生演奏には及ばないのではないかと思います。

アンコールはシューベルトの「3つの小品D946」の第2曲でした。この3つ小品第2曲はメロディーがたいへん美しく管理人の大好きな曲で、この曲をアンコールで聴くことができたのは幸運でした。

アンコールが終わると、聴衆のほぼ半分が立ち上がってのスタンディング・オベーションとなり(管理人も立って拍手しました)、ピリスとの別れを惜しみながら、彼女が会場を去るのを見送りました。

ピリスは1944年生まれなので、まだ引退するような年齢ではないはずです。実際、昨日の演奏を聴くと、演奏技術の点は問題ないように思いました。余力を残しての引退という印象です。
自分自身のキャリアとピアノ界を取り巻く様々な問題を考慮した上、演奏家人生はここで区切りをつける、そんな決断だったのではないかと思います。潔い引退なのではないでしょうか。

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