小田周二『524人の命乞い』(文芸社)

小田周二『524人の命乞い 日航機123便乗客乗員怪死の謎』(文芸社)という本を読み終えた。
本書は2017年8月12日の刊である。1985年8月12日の日航機123便の墜落事故から33回忌の法要となる日を期して出版されたものと思われる。
著者の小田氏は1937年生まれ、日航機墜落事故により我が子2人を亡くされた方である。

1985年の520人の生命が失われた(生存者4人)日航機墜落事故の原因についての公式見解は、「圧力隔壁破壊説」である。だが同事故については、いろいろと謎が多いことが知られている。
管理人は当時、同事故に関するニュースをリアルタイムで聞いていたが、事故当日の深夜になっても日航機の墜落現場を特定できないというニュースを聞いて、どうしてそんな初歩的なことが事故後何時間も経っても分からないのか、と不可解に思ったのを覚えている。

本書の内容は一般の読者にとって衝撃的だろうと思われる。自衛隊が訓練に使用していた無人の標的機が日航機にぶつかったため日航機は制御困難になり、最後には自衛隊機に撃墜された、という内容だからだ。
だが本書の推論は、生存乗客の証言、ボイスレコーダーの分析、アントヌッチ米軍中尉の証言、航空機の構造等、客観的な証拠に基づいて組み立てられており、信頼性が高い。本書で述べられた推論によれば、事故原因に関する様々な謎をピタリと解明することができる。
何冊か出版された日航機事故関連本の中で、本書が最も真相に肉迫しているのではないだろうか。
また本書は、日航機の羽田離陸から墜落、そして航空事故調査委員会の最終報告まで、ほぼ時系列に沿って述べられており、事故の全貌を把握するのが容易なように配慮されている。
管理人は個人的に、高浜機長ら3人のクルーが最後の瞬間まであきらめなかった執念の操縦が、後部座席の一部の乗客の命を救った、という点に最も感銘を受けた。

本書の他に、青山透子『日航123便墜落の新事実』(河出書房新社)という本が、本書と同時期に出版されている。青山氏の著作は、本書と同一の結論ではないが、事故現場の小学生の証言など本書に述べられていない内容が含まれている。興味のある読者は本書と合わせて読まれるとよいのではないだろうか。
524人の命乞い 日航123便乗客乗員怪死の謎
文芸社
小田 周二

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