カンブルラン/読響の演奏会(3月14日)

先週の3月14日(木)、東京・赤坂のサントリーホールで行われたシルヴァン・カンブルラン指揮読売日本交響楽団(以下、「読響」と省略します)の第586回定期演奏会を聴きに行きました。
曲目は、シェーンベルク「グレの歌」でした。
配役は次の通りでした。

ヴァルデマル: ロバート・ディーン・スミス
トーヴ: レイチェル・ニコルズ
山鳩: クラウディア・マーンケ
農夫・語り: ディートリヒ・ヘンツェル
道化師クラウス: ユルゲン・ザッヒャー
合唱: 新国立劇場合唱団(合唱指揮: 三澤洋史)

「グレの歌」は第1部、第2部、第3部に分かれ、演奏時間は全部で110分という大作です。
3月14日のコンサートでは、第2部と第3部の間に中休みが設けられ、中休みの間に合唱団が入場しました。

カンブルラン氏は2010年に読響の常任指揮者に就任しましたが、この3月に任期を終え退任します。後任はセバスティアン・ヴァイグレ氏です。今年3月の一連の演奏会は、読響にとって、カンブルラン常任指揮時代の最後の演奏会ということになります。

さてコンサートの感想ですが、たいへん素晴らしかった、良い演奏を聴かせてもらったというものでした。
管理人は本ブログを休止していた2015年9月に、カンブルラン/読響のワーグナー「トリスタンとイゾルデ」を聴いたことがあります。その時の印象がたいへん強かったので、「トリスタン」と同じくドイツ・オーストリアの後期ロマン派的要素を濃厚に持った「グレの歌」を聴きに行こうと思ったのです。
その「グレの歌」は期待に違わず、フォルテシモからピアニシモまでレンジのたいへん広く、スケールの大きさと緻密さを合わせ持った名演でした。ロバート・ディーン・スミスを始めとする声楽陣も出色の出来でした。
管理人がとりわけ感心したのは読響の管楽器奏者です。管理人は失礼ながら、読響は弦楽器は重厚で良いものの管楽器はそれほどでも、というイメージを持っていたのですが、「グレの歌」での管楽器は色彩感にあふれる良い演奏でした。変な先入観は改めないといけないと思いました。
管理人は「グレの歌」の録音は、ブーレーズ/BBC交響楽団盤とインバル/フランクフルト放送交響楽団盤を持っていますが(インバル盤で予習して読響の演奏を聴きに行きました)、これら録音で聴く「グレの歌」よりも生で聴く「グレの歌」の方が、当然かもしれませんが、感動することができました。

ところで管理人は、カンブルラン時代の読響というとレパートリーが非常に広かったように思います。ドイツ・オーストリア音楽からフランス物、ロシア物、それに現代音楽と様々だったように思います。カンブルランの前の常任指揮者だったゲルト・アルブレヒト、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ時代にはドイツ・オーストリア系の音楽が中心であったことは否めないように思います。カンブルランは読響のレパートリーを広げるのに大きな貢献をしたのではないでしょうか。
管理人自身は、カンブルランの直前のスクロヴァチェフスキが常任指揮者だった時代に、よく読響を聴きに行ったのですが、その反動で(?)カンブルラン時代はあまり聴きに行かないでいました。しかしカンブルランの評判がたいへん良いことは耳にしていました。
「グレの歌」を聴いてカンブルランは、読響のレパートリーを広げただけでなく、オーケストラ・ビルダーとしても能力があったのではないかと思いました。

さて読響はこの4月からセヴァスティアン・ヴァイグレを新しい常任指揮者に迎えます。ヴァイグレは伝統的なドイツ・オーストリア音楽をレパートリーの中心にする指揮者のようです。
カンブルランの元で豊かな実りを見せた読響が新しい音楽を迎えてどのように変貌するのか…。楽しみに見守りたいものです。

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