バックハウス/ベームのブラームス「ピアノ協奏曲第2番」

昨日10月12日、首都圏は何十年に一度という大きな台風に直撃しました。幸い我が家は被害を受けませんでしたが、昨日は一日中一歩も外出できなかったというくらい、大雨と強風に見舞われました。
台風から一夜明けて、今日は、強風は残っているものの、昨日の荒天が嘘のような晴天です。気温も夏を思い起こすくらい上がりました。晴天と共に気温上昇というのは、台風が去った後、往々にしてあることですが…。

今日の1曲はブラームスのピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品83です。演奏は、ウィルヘルム・バックハウス(p)とカール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団です。1967年4月のデッカへの録音です。古くから本曲の名演として有名な録音です。

本曲は晴朗で美しい作品です。冒頭のホルンとピアノの掛け合いを聴いただけで、なんと美しい曲なのだろうと思わされます。とくに緩徐楽章になっている第3楽章は、アルプスの花の咲き乱れた野原を見ているような美しさです。
本曲の完成は1881年のようですが、ブラームス(1833ー97)が同時期に作曲した交響曲第2番、ヴァイオリン協奏曲も同様に明朗な楽想であり、当時40歳代後半だったブラームスの平穏な心境でいたことを物語っているようです。
また本曲は協奏曲としては珍しく4楽章編成という規模の大きな曲です。オーケストラ部分が充実しており「ピアノの付きの交響曲」と形容されることもありますが、ピアノ部分も充実した作曲のされようでピアニストに高度な技術が要求される個所も少なくありません。要するに非の打ち所のない大傑作なのです。

本録音はバックハウス(1881ー1969)の亡くなる2年前の録音ということになります。録音当時86歳だった老大家らしい、悠然とした伸びやかな自然体の演奏です。バックハウスの愛用したベーゼンドルファーの柔らかく温かい音色が、バックハウスの演奏スタイル及びブラームスの曲想に適合しています。
また本録音が古来名演とされているのは、オーケストラがウィーン・フィルであることの貢献が大きいのではないでしょうか。録音当時の1960年後半のウィーン・フィルは美しく艶のある音色と、いかにもウィーンと言ったニュアンスを維持していました。
管理人はウィーン・フィルの音色とブラームスの相性が良いように思うのです。管理人の考えですが、ブラームスは良い意味でも悪い意味でもドイツ・オーストリアの音楽的伝統から抜け出ることのできなかった作曲家であり(モーツァルト、ベートーヴェンはもっとインターナショナルな要素を持っていたように思います)、ウィーン・フィルと、ベルリン・フィル以外のドイツのオーケストラの音色が、彼のオーケストラ曲に最も適合しているように思うのです。シカゴ響のようなスーパー・オーケストラについては、ブラームスとの相性がどうなのか、と思います。
ベームの指揮も彼らしく引き締まった立派なものです。
本録音は古来名演として有名で、管理人も同意見ですが、バックハウス、ベーム、ウィーン・フィルというブラームスへの適性の高い三者が結集したことが名演の完成につながったのではないかと思います。

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