リヒテル/ボロディンSQのドヴォルザーク「ピアノ五重奏曲第2番」

今日の東京は、昨日の雨が上がり秋晴れの爽快な一日です。
今日はドヴォルザークのピアノ五重奏曲第2番イ長調作品81を聴きました。ドヴォルザークは本曲の他にピアノ五重奏曲第1番作品5を作曲していますが、そちらはほとんど演奏される機会がないため、本曲第2番がドヴォルザークの単に「ピアノ五重奏曲」と呼ばれることもあります。
演奏はスヴャトスラフ・リヒテル(p)とボロディン弦楽四重奏団です。1983年4月25日、モスクワ音楽院大ホールにおけるライヴ録音です。レーベルは旧メロディアです。

本曲は急・緩・急・急の4楽章構成を取ります。
第1楽章はピアノの分散和音に乗って、チェロがチェコの民族色豊かなメランコリックな旋律を奏でる冒頭部分で始まります。たいへん印象的な開始部分です。しかしすぐに活発な曲想に変わります。シューマンのピアノ五重奏曲を思い起こさせる曲想です。
第2楽章はチェコ風の悲哀の感情が感じられますが、中間部分で抒情的でリリカルな美しい曲想に変わります。本リヒテル/ボロディンSQ盤で17分近いし長大な楽章ですが、聴いていて飽きることはありません。
第3楽章は活気あふれるスケルツォです。
第4楽章も引き続き活発で、5人の奏者が技を競い合う、スポーツのような趣あります。ここでもシューマンのピアノ五重奏曲が思い起こされます。
本曲は、全部で40分を超える大曲ですが、聴いていて飽きのこない充実した秀作だと思います。
シューベルト、シューマン、ブラームスのピアノ五重奏曲と並ぶ、この分野の傑作です。
また今日のような秋晴れの日に聞くのにふさわしい作品です。

ドヴォルザークというと、「新世界」を始めとする交響曲やチェロ協奏曲が一般には有名ですが、室内楽の分野に佳曲を多く残しており、室内楽の好きな管理人などは、ドヴォルザークは交響曲よりは室内楽の方が上なのではないかと思ったりします。この点、ブラームスとショスタコーヴィチも同様で、彼らも交響曲より室内楽の方が上だと思います。

今日聴いたリヒテルとボロディンSQによる演奏は、旧ソ連の代表的な演奏家による風格豊かな演奏です。
巨匠リヒテルは、アンサンブルを演奏する時はあまり自己主張せずに共演相手の良さを引き出そうとした面があったように思いますが、本演奏ではのびのびとスケール大きく弾いています。
ボロディンSQは1970年代後半に第1vnがアレクサンドル・ドゥビンスキーからミハイル・コペリマンに、第2vnがヤロスラフ・アレクサンドロフからアンドレイ・アブラメンコフに交代しており、本録音は交代後間もない時期の録音ということになります。さすがに旧ソ連のナンバーワン・カルテットだった同カルテットのことリヒテルと対等のスケール大きなアンサンブルを聴かせます。管理人は本録音を聴いて、リーダー格のチェロのワレンティン・ベルリンスキーの骨太の音での歌い回し(特に第1楽章)が印象に残りました。
リヒテルとボロディンSQはしばしば共演を重ねており(録音も、シューベルト、シューマン、フランク、ショスタコーヴィチの各ピアノ五重奏曲が残されています)、アンサンブルの呼吸感もぴったりです。
名曲の名演です。

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この記事へのコメント

2020年11月02日 18:53
アルトゥールさま
こんばんは お久しぶりです
11月に入りました
暑い暑いと言っていたのがウソのように… 季節は廻っていきますね

ドボルザークの室内楽 メロディーメイカーでもあり 珠玉作品が多いですね
ジュリアードの2枚国は、1番、2番以外の曲も入っていたと思います、その中で ハルモニウムを使っている「バガテル」という曲が愛らしくて 好きですね

リヒテル 一時期 録音を集めて 色々と聴いていた時期があるのです、ハイドンとか室内楽など、きっと このドボルザークも持っているかと思うのですが
整理が悪くて、どこにあるのか…爆

季節の変わり目ですので お身体をご自愛ください
ミ(`w´彡) 
アルトゥール
2020年11月06日 00:03
rudolf2006様
コメントをいただき、有り難うございます。
ドヴォルザークはメロディーメーカーですよね。交響曲、協奏曲だけでなく、室内楽にも印象的なメロディーが出てくると思います。全14曲と思われる弦楽四重奏曲には良い曲が多いと思います。
リヒテルは室内楽の良い録音が残っていますね。ボロディン四重奏団との共演は全て名演ですし、ヴァイオリンのオレグ・カガンとの共演も良かったと思います。